国税がインターネットで納付できるようになりました。

2017年1月4日8時30分、クレジットカードで各種税金の支払いができる「国税クレジットカードお支払いサイト」のサービスがはじまりました。

「国税クレジットカードお支払いサイト」は、GMOペイメントゲートウェイ(GMO-PG)とトヨタファイナンスが提携して生まれたサイトです。

ネット納税でクレジットカードを利用でき、支払額に合わせてポイントの付与が期待できます。

しかし一方で、決済手数料など注意すべき点もあります

そこで今回は、注目のサービス「国税クレジットカード支払いサイト」について解説します。

「国税クレジットカード支払いサイト」は広く対応、払える税金も多い

「国税クレジットカードお支払いサイト」はほぼすべての税目に対応!

「国税クレジットカードお支払いサイト」ならほぼすべての国税が支払えます。

支払える国税には「申告所得税(および復興特別所得税)」をはじめ「法人税」「消費税および地方消費税」「贈与税」「酒税」なども含まれます。

「源泉所得税(および復興特別所得税)の告知分以外」と「源泉所得税の告知分以外」も2017年6月から納付できるようになりました。

(告知分とは、国税通則法第36条の規定により、税務署長が行う納税の告知を指します。

たとえば不納付の源泉所得税に加算税や延滞税を加え、税務署長が納期限を定めた通知が「告知」です。
つまり納期限内の納付は自主納付分といって告知分ではありません)

「国税クレジットカードお支払いサイト」で支払える税目
申告所得税および復興特別所得税
消費税および地方消費税
法人税
法人税(連結納税)
地方法人税
地方法人税(連結納税)
相続税
贈与税
源泉所得税および復興特別所得税(告知分)
源泉所得税(告知分)
申告所得税
復興特別法人税
復興特別法人税(連結納税)
消費税
酒税
たばこ税
たばこ税およびたばこ特別税
石油税
石油石炭税
電源開発促進税
揮発油税および地方道路税
揮発油税および地方揮発油税
石油ガス税
航空機燃料税
登録免許税(告知分)
自動車重量税(告知分)
印紙税

源泉所得税および復興特別所得税の通常分を告知分で払わないでください(後述)。

「国税クレジットカードお支払いサイト」では、Visa、Mastercard、JCB、American Express(アメックス)、Diners Club(ダイナース)、TS CUBIC CARDと主要国際ブランドなど、ほぼすべてのクレジットカードが使えます。これらのクレジットカードで1,000万円未満の納付が可能です。

 国税クレジットカードお支払サイト

「国税クレジットカードお支払いサイト」から税金を払うメリット

自宅で税金が支払える!

「国税クレジットカードお支払いサイト」を利用すれば、納税のために銀行やコンビニに足を運ぶ必要がありません。無駄な時間をはぶけます。

納税額に合わせてカードのポイントが付く!

クレジットカードを使えば、納税額に応じたポイントが付与されます。この点は陸マイラーの方(カードによるショッピングなどでマイルを貯める方)などにも嬉しい点です。

ただし、ポイント付与されないカードや、ポイント付与率が半減するカードがあるので、利用するクレジットカードはよく吟味してください。

分割払いやリボ払いができる!

「国税クレジットカードお支払いサイト」は、クレジットカードの「分割払い」や「リボ払い」も利用できます。金利手数料がかかるためおすすめしませんが、資金繰りが厳しいときなどにこういった支払い方法が選択できる点はメリットになるかもしれません。

 国税クレジットカードお支払サイト

決済手数料は税額1万円まで82円。税額が1万円増えるごとに82円加算!

「国税クレジットカードお支払いサイト」は便利なサービスです。しかし「決済手数料」がかかることを忘れてはいけません。サイト経由の納税は「1万円で82円(税込)(0.82%)」の手数料がかかり、税額が1万円増えるごとに82円加算されます。

納付税額に応じた決済手数料

納付税額 決済手数料(税込) 手数料率
1円~10,000円 82円 8,200%~0.82%
10,001円~20,000円 164円 1.639%~0.82%
20,001円~30,000円 246円 1.229%~0.82%
30,001円~40,000円 328円 1.093%~0.82%
40,001円~50,000円 410円 1.024%~0.82%
※以降、10,000円を超えるごとに決済手数料82円が加算されます。

還元率1%のクレジットカードで支払うと、実際の還元率は「0.18%程度」(1%—0.82%)です。仮に100ポイント獲得しても手数料で82円分持って行かれてしまいます。還元率0.5%のカードで支払うと、もらえるポイントよりも手数料が高くなります。

「国税クレジットカードお支払いサイト」では、「還元率が1%以上のクレジットカード」を使うのが正解です。

「国税クレジットカードお支払サイト」利用上の注意点

納付はインターネット上のみ

「国税クレジットカードお支払サイト」という名前のとおり、国税のクレジットカード納付はインターネット上のみで可能です。金融機関やコンビニエンスストア、税務署の窓口ではクレジットカード納付ができません。すでに口座振替で納付手続きされている方は「口座振替の解除手続」も必要です。

領収証・納税証明書が必要な方は注意

「国税クレジットカードお支払サイト」の利用では、領収証書は発行されません。一方、納税証明書はクレジットカード納付で納付済となってから発行可能となります。ただし、発行可能となるまで3週間程度と長めの時間がかかる場合もあります。

納付手続きの取消し不可

「国税クレジットカードお支払サイト」は、一度納付手続きが完了すると「手続きの取消し」ができません。手続き後に「やっぱり口座振替に変えたい!」と思ってもできないので、ご注意ください。

源泉所得税および復興特別所得税(支払分)はe-Taxを経由して

源泉所得税および復興特別所得税(支払分)いわゆる通常分は、源泉所得税および復興特別所得税(告知分)から納付しないでください。

  1. e-Taxで「給与所得・退職所得等の所得税徴収高計算書」のデータを送信
  2. 送信後の受信通知をメッセージボックスで確認
  3. メッセージボックスの受信通知に表示されているボタンから「国税クレジットカードお支払サイト」に移動

「国税クレジットカードお支払サイト」に移動してはじめて納付ができます。

税理士によって書かれたこちらの記事がくわしいです。
【注意】クレジットカード納付 源泉所得税の「告知分」で納付しないように!

 国税クレジットカードお支払サイト

1%以上の還元率を持つカードで払えばメリットあり

「国税クレジットカードお支払サイト」のメリットは「還元率1%以上のカード」を利用することで得られます。

1万円で82円(0.82%)の手数料がかかるので、還元率1%以上のカードを用意しましょう。

実際に納税で付与されるポイントが少ないカードもあるので注意が必要です。一例として「ダイナースクラブカード」は納税に対する還元率を0.5%(2016年8月以降)にしています。

「アメリカン・エキスプレス・カード」(アメックス発行全券種。提携カードは除く)も200円につき1ポイント(0.5%還元)です

一方で還元率1%以上の「高還元のクレジットカード」なら、手数料を差し引いても多くのポイントが手に入ります。現金よりカード払いのメリットが高くなります。

「だけど、年会費がかかれば結局損なのでは?」と思う方もいることでしょう。大丈夫です。「年会費無料」で「還元率1%超」のカードもあります。

決済手数料がかからないnanacoにクレジットカードでチャージして支払えばオトク

固定資産税・自動車税など「コンビニ収納代行」で支払える税金は電子マネー「nanaco」でも決済できます。ただし、nanacoには制約があります。

nanacoのチャージ上限は5万円、1か月のクレジットチャージ限度額は20万円。1回の支払いで5万円までしか決済できません。(しかし以下の方法を使えばnanaco1枚で10万円まで支払えます)

またセブン-イレブンで支払える収納代行は30万円までと決められています。それ以上の金額は、役所(税務署、都道府県、市区町村などの窓口)で納付書を分割してもらう必要があります。

税金が数百万円になる高額納税者でnanaco払いの方は、納付書の分割必要だったり、何度かに分けてnanacoへチャージをしたりと、それなりに手間と時間がかかります。

高額納税者は「国税クレジットカードお支払いサイト」を利用したほうが効率的ではあります。

納税額が30万円以下で、手間かかってもかまわないのならば「国税クレジットカードお支払いサイト」を使うよりnanacoで税金を払ったほうがポイントが貯まります。

なお、nanaco入会からクレジットチャージが可能になるまで最短で11日かかります。nanacoに入会してからすぐに多額の税金が払えるわけではありません。

*詳しくは以下の記事をチェックしてください。

2022年12月からスマホPay払いが可能に

2022年12月より所得税、法人税、消費税などの国税の支払いにスマートフォンからのPay払いが利用できるようになりました。

電子マネー同様に決済手数料はかかりません。Pay払い自体のポイントは付きませんが、チャージでポイントを得る方法はあります。

詳しくはこちらをご覧ください。

高額納税は限度額がネックになる

「国税クレジットカードお支払サイト」は、1,000万円まで支払いに対応しています。しかし、1,000万円を支払うには限度額1,000万円のクレジットカードを用意しましょう。

年会費無料カードは「限度額が低い」のがネック。高額納税者で「国税クレジットカードお支払サイト」を利用するなら「ゴールドカード」や「プラチナカード」が必要です。

それでも与信枠が足りない場合は「デポジット(前入金)ができるクレジットカード」を選ぶと良いでしょう。一例では「アメリカン・エキスプレス・カード」(アメックス発行)や「楽天カード」「ラグジュアリーカード」がデポジットに対応しています。

JAL派に向いているカードはこれ!

納税で貯めるポイントは高ければ高いほどうれしいですが、そのポイントの使い道によって選ぶカードが変わってきます。

とくに「JALマイル」を貯めている方は多いでしょう。そこでオススメなのが「セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カード」です。この「セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カード」はビジネスカードですが個人でも申し込めます。

ショッピング1,000円につき10マイルが貯まり(セゾンマイルクラブに登録した場合/無料)、さらにセゾンマイルクラブ優遇サービスとして「2,000円利用につき永久不滅ポイント・1ポイント」が貯まります。ダブルで効率よくポイントが貯まるので、1,000円利用でトータル11.25マイルももらえます。

セゾンカードでの税金支払い時のポイント付与率が変更されました。

永久不滅ポイントが【利用額1,000円ごとに1ポイント】を付与から、【2,000円ごとに1ポイント】付与に変更されます。
SAISON MILE CLUBでは【1,000円利用ごとに10マイルとアメリカン・エキスプレスブランドのみ2,000円ごとに1永久不滅ポイント】付与から、【2,000円利用ごとに10マイル】に変更されます。

永久不滅ポイントおよびSAISON MILE CLUBの還元率が変更となるカード決済取引は以下です。

・国税・都道府県・市町村取扱いの各種税金・税金決済に伴うシステム使用料および手数料
※税金決済として特定可能な売上(ふるさと納税除く)が還元率変更の対象

2024年1月11日以降の利用分から適用。

永久不滅ポイント規約変更および永久不滅ポイント並びにSAISON MILE CLUB一部お取引での還元率変更に関するご案内 | クレジットカードはセゾンカード

残念ながら永久不滅ポイントで最大0.5%、マイル還元率は0.5%に下がってしまいました。それでも貯めにくいJALマイルが0.5%獲得できると考えると、まだ価値はあるのではないでしょうか。

また、世界の空港ラウンジを無料で利用できる「プライオリティ・パス」に無料登録できます!

通常は469米ドルの年会費がかかる「プレステージ会員」に無料でなれるのですから、出張の多いビジネスパーソンには魅力的な特典でしょう。年会費は22,000円(税込)です。

JALマイル還元率が高くリーズナブルな年会費でプライオリティパス付き、JALマイルが欲しい方におすすめの一枚です。

ポイントかマイルか求めるものに合わせて決済方法の選択を

納税によってポイントやマイルを得たいのか、利便性を第一にインターネット決済をするのか、出口に合わせた決済方法の選択が重要です。とくにマイルに利用価値を感じないのであれば、還元率が1%以上のカードで支払い、手数料以上のポイントを得るのが手堅い選択です。

収納代行で納められる「小額納税」は有利にポイントが獲得できる nanaco 払いやPay払いで、納税額が高額になる場合は「国税クレジットカードお支払サイト」でクレジットカード決済にするのが便利です。

地方税の支払いは国税とはまた違った選択になります。

「国税クレジットカード支払いサイト」を利用できるのは国税のみ。県税や市町村税などの地方税を、電子マネーを使わずにクレジットカードで払いたい場合は、「地方税お支払いサイト」をご利用ください。

【2023年版】自動車税・固定資産税をお得な支払い方法でがっちりポイントをもらおう

2016年12月30日 公開
2024年3月3日 更新


メルマガ皆さんは「ポイント還元率が高いから」「ポイントやキャッシュバックなどのキャンペーンが良かったので」「友人知人が使っているから」といった理由でカードを選ばれることが多いと思います。お得ばかりを追い求めてカードを作り続けるとポイントが分散して貯まりません。それは入口にフォーカスしているからです。

入口=どこで使うか、出口=カードになにを求めるか、決済金額=一年にどれくらい使うか。
この3つの要素が揃って、はじめて有効なクレジットカードを選ぶことができます。大事なことは最終的にクレジットカードに求めるものを明確にすることです。つまり出口を決めることから始まります。当サイトでは「出口から逆算して決済金額で最適化する」ことを提案します。

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