「企業の存続に必要なものは?」と聞かれてまず思い浮かぶのは、その企業を選び、長期に渡って利用し続けてくれる「ファン」の存在です。

企業は、利用に応じてポイントが貯まったり優遇サービスを受けたりできる「ロイヤリティ・プログラム」を提供することで、その企業を利用し続けることのメリットと、他の企業を選ぶことのデメリットを用意し、ファンを逃がさないようにします。これはいわば、守りの手段です。

一方で新しいファンを増やすためには、ライバル企業のファンを呼び込む「戦略」も求められます。

その手段のひとつとして企業がおこなうサービスが、今回ご紹介する「ステータスマッチ」です。

たとえばホテルグループA社にとって、ライバルホテルB社の上級会員bさんは、ぜひ自社のファンに取り込みたい存在です。

ところがbさんは、A社を試してみようという気にはなかなかなりません。

B社を利用すれば、客室のアップグレードやレイトチェックアウト、ボーナスポイントなどのさまざまな特典が付いてくるからです。

そこでA社はbさんに「うちでも同等のステータスとサービスを提供する(=ステータスマッチ)ので試してくださいね」と誘いをかけます。

これが、企業がステータスマッチを行う背景です。

よって業種が違っても、互いのサービスに関連性があると企業が判断した場合には、ステータスをマッチしてくれる可能性があります。

たとえば航空会社の上級マイレージ会員はホテルを利用する機会が多いので、ホテル業界でもステータスをマッチしてくれることが多いのです。

わたしたち利用者からすると、こうしたステータスを得るには、お金や時間が掛かります。

よって 一つのステータスを基に、さまざまな場所で特別扱いしてもらえるステータスマッチは、ぜひともうまく活用したいサービスです。

ステータスマッチの仕組みを理解することで、最大限のメリットを引き出していただきたい。

ステータスマッチを行う上で知っておいたほうが良いことは?

実際にステータスマッチを行う前に、いくつかの知っておいたほうがいいポイントがあります。

自分で動かなければ始まらない

企業側から「ステータスマッチをしませんか」と呼び掛けることは、無いとは言いませんが稀です。

逆にステータスマッチをやっていることを公表していなくても、アプローチすれば受け付けてくれる企業もあります。

マッチングの方法には、Webで登録するだけの場合もあれば、ステータスマッチ希望の英文メールを送る必要があったりやサービスの利用実績などを送る必要があったりと、さまざまなタイプがあります。

いすれにしろ「私は良い客になりえる人だからサービスしてね」と自らアピールしないと、勝手にマッチしてはくれません。

企業側にも思惑やメリットがあるので、遠慮なくアピールしてみましょう。

とっかかりが必要

ステータスマッチを実施するにあたっては、とっかかりとなる「ステータス」が必要です。

航空会社のマイレージ上級会員資格やホテルの上級会員資格、信用度の高いクレジットカードの保有など、その企業にとってあなたが「良質の顧客」となりうることを証明してくれるような資産を洗い出しましょう。

ちなみにどのような会員資格をもとにステータスマッチを申請し、結果の成否をまとめてくれているサイトがあります。

自分の資格がどのようなステータスとマッチできるか、参考にしてみてください。

タイミングが大切

ステータスマッチによって得られるステータスは、ほとんどの場合、数カ月から半年、あるいは1年と、期間が限られています。

「もし懇意にしてくれれば、ずっとこのようなサービスを受けられます」という、期間限定の味見というわけです。

よってサービスを利用する予定がないのにマッチングをしても、特典を利用することなくステータスが終了、なんてことになりかねません。

一方で特定の期間だけ、ステータスマッチのキャンペーンを行う企業もあります。

キャンペーン期間以外はステータスマッチを行わない企業であれば、ひとまずステータスをマッチしたあとで利用予定を作ることもありです。

また一度ステータスマッチを行うと、その後何年かはマッチング応募不可になる企業もあります。

たとえばデルタ航空は過去3年、ユナイテッド航空は過去5年の間に一度でもマッチングした方は、マッチングに応募できません。

このように、ステータスマッチを行う上でとても大切なのが、実施するタイミングです。

優遇サービスをしっかり味わうために、ただやみくもにステータスを集めるのではなく、タイミングを見計らってマッチングをしましょう。

なにも無いところからのステータスマッチ

ステータスマッチには興味があるけど、今現在、とっかかりとなるステータスが無い方は、特定のクレジットカードを持てばステータスマッチを始められます。

ステータスマッチのためだけにカードを持つ必要もないと思いますが、カード自体が提供するサービスをメリットとして感じられ、なおかつマッチしたステータスを利用する機会があるなら、カードを作るのがよいでしょう。

ステータスを獲得できるカードはいくつかありますが、世界最大のホテルチェーンのマリオットグループとアメリカンエキスプレスの提携カード、Marriott Bonvoyアメリカン・エキスプレス・プレミアム・カード(以下マリオットアメックスプレミアム)を紹介します。

マリオットアメックスプレミアムは年会費が49,500円(税込)と高いのですが、保有するだけでマリオット リワードの会員資格「ゴールドエリート」特典が得られます。

これは通常年間25泊以上の宿泊を達成した場合に得られるエリート資格です。これが基本のステータスとなります。

マリオット リワードの会員資格「ゴールドエリート」の特典

  • 対象となる滞在で、利用金額の対して25%の追加ポイントを獲得できる
  • 午後2時までのレイトチェックアウト
  • 空き室状況により、より望ましい客室へのアップグレード
  • ウェルカムギフトとしてポイント進呈 (250~500ポイント、ブランドにより異なる)
  • 高速なインターネットが無料(プレミアムWifi)

個人的には、14時までチェックアウトが無料で延長できるサービスに大きな価値があると感じています。

勝手が分からない海外で、帰国便が夜ですと荷物を持ち歩くのもどこかに預けるのも面倒で、結局早く空港に行って時間をつぶすことになりかねません。

ステータスを獲得してレイトチェックアウトが利用できれば、最終日にゆっくり起きて買い物に出かけ、ホテルに戻ってシャワーを浴びてから空港に向かえるので、心に余裕が持てます。

マリオットアメックスプレミアムの特典

マリオット リワードの会員資格「ゴールドエリート」の特典が受けられます。

年間決済額150万円をクリアし、カードを更新するたびに、世界各地のマリオット リワード参加ホテル(交換レート1泊50,000ポイントまで)で利用できる一泊一室(2名様まで)の無料宿泊特典が付きます。

また、マリオット リワードより15宿泊分の宿泊実績がプレゼントされるので、プラチナエリートの達成が取得しやすくなります。

プラチナエリートになるとクラブラウンジが利用可能になったり朝食が無料になります(ホテルによる)が、マリオットアメックスプレミアムで年間決済額400万円をクリアすると、宿泊数にかかわらず会員資格がプラチナエリートにアップします。

海外によく行かれる方には非常にメリットの大きいカードです。

  • カードの詳細はこちら
  • 公式サイトはこちら

クレジットカードを持つだけで上級会員

前にも少し説明しましたが、クレジットカードを持つだけで上級会員の資格が与えられるものがあります。さらに利用条件をクリアするとより上位の会員資格にアップグレードしてくれるものもあるので表にまとめました。

資格必要条件利用条件
Marriott BonvoyエリートシルバーエリートMarriott Bonvoyアメリカン・エキスプレス・カード保有なし
ゴールドエリート年間100万円決済(毎年1/1~12/31)、達成後2週間~1か月で反映、昇格は翌々年1月31日まで
Marriott Bonvoyアメリカン・エキスプレス・プレミアム・カード保有なし
プラチナエリート年間400万円決済(毎年1/1~12/31)、達成後2週間~1か月で反映、昇格は翌々年1月31日まで
ゴールドエリートアメリカン・エキスプレス プラチナ・カード保有なし
ヒルトン・オナーズゴールドステータスヒルトン・オナーズ アメリカン・エキスプレス・カード保有なし
ヒルトン・オナーズ アメリカン・エキスプレス・プレミアム・カード保有
アメリカン・エキスプレス プラチナ・カード保有
ダイヤモンドステータスヒルトン・オナーズ アメリカン・エキスプレス・プレミアム・カード保有年間200万円決済(毎年1/1~12/31)達成後3か月以内で反映、達成年の翌年末まで
SEIBU PRINCE CLUBプラチナステータスアメリカン・エキスプレス プラチナ・カード保有なし
Radisson RewardsPremiumステータスアメリカン・エキスプレス プラチナ・カード保有なし
アメリカン・エキスプレス・ビジネス・プラチナ・カード保有
ハワイアン航空 PualaniエリートPualani
Platinum
ラグジュアリーカード ゴールドカード保有なし(適用期間は申込み月からその年の12月末までと翌1年間)
Pualani Goldラグジュアリーカード ブラックカード保有
東急ホテルズ コンフォートメンバーズプラチナラグジュアリーカード チタンカード・ブラックカード保有なし
ダイヤモンドラグジュアリーカード ゴールドカード・ブラックダイヤモンドカード保有
I Prefer Hotel Rewards(アイ・プリファー・ホテルリワード)エリートラグジュアリーカード ブラックカード・ゴールドカード・ブラックダイヤモンドカード保有
エクスプローラーラグジュアリーカード チタンカード保有
HoteluxElite 3か月無料
(通常年会費US199ドル)
JMB eliteなし
Elite 6か月無料
(通常年会費US249ドル)
JMB elite Plus
Elite 永年無料
(通常年会費US349ドル)
JGC Three Star
JGC Four Star
Elite Plus 永年無料
(通常年会費US499ドル)
JGC Three Star
JGC Four Star
ラグジュアリーカード チタンカード・ブラックカード・ゴールドカード・ブラックダイヤモンドカード保有

2018年1月10日 作成
2025年3月21日更新


メルマガ皆さんは「ポイント還元率が高いから」「ポイントやキャッシュバックなどのキャンペーンが良かったので」「友人知人が使っているから」といった理由でカードを選ばれることが多いと思います。お得ばかりを追い求めてカードを作り続けるとたいていポイントが分散してしまいます。それは入口にフォーカスしているからです。

入口=どこで使うか、出口=カードになにを求めるか、決済金額=一年にどれくらい使うか。
この3つの要素が揃って、はじめて有効なクレジットカードを選ぶことができます。大事なことは最終的にクレジットカードに求めるものを明確にすることです。つまり出口を決めることから始まります。当サイトでは「出口から逆算して決済金額で最適化する」ことを提案します。

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