海外でクレジットカードを使用する際には、通常、外貨で買い物をすることになりますが、その際に海外事務手数料が発生します。

クレジットカードの海外事務手数料とは、国外でクレジットカードを使用する際に発生する手数料のことで、これは通常、為替レートの変換や国際的な取引処理に関連するコストをカバーするためにクレジットカード会社が請求するものです。

海外でのクレジットカード決済は海外事務手数料が発生する

海外旅行でクレジットカードを使う際、意外と見落としがちなのが「海外事務手数料」です。

これは、外貨建てで決済した金額を日本円に換算する際に発生する手数料で、国際ブランドの決済ネットワーク手数料とカード会社の手数料を合わせたものです。

この手数料は為替レートに上乗せされるため、利用明細には明記されず、気づきにくいのが特徴です。

手数料率はカード会社や国際ブランドによって異なりますが、一般的には1.6%〜3.85%程度。

たとえば10万円分を海外で利用した場合、1,600円〜3,850円の追加コストがかかることになります。

少額でも積み重なると、思わぬ出費につながります。

海外でのカード利用時には、海外事務手数料の低いカードを選ぶことが節約のポイント。

旅行前に利用予定のカードの条件を確認しておけば、より賢く海外旅行を楽しめます。

主要クレジットカードの海外事務手数料

VisaMastercardJCBAMEXDiners
備考
Amazon Mastercard
1.63%
2.20%
2025年10月1日(水)以降に到着した売上より適用
アプラス3.85%
2.85%
3.85%<JCB>
2024年12月20日以降ご利用分より
<Visa>
2025年1月7日以降にVisaWorldwideで処理されたご利用分より
<Mastercard>
2025年7月30日以降、Mastercard決済センターで処理された利用分より適用
アメリカン・エキスプレス
2.00%
3.50%2025年8月1日(金)より
イオンカード
1.60%
-
エポスカード
3.85%
2025年7月1日(火)利用分より
MUFGカード(三菱UFJカード含む)
3.85%
2.03%
JCBが定めた1.60%と三菱UFJニコスが定めた0.43%(税込)を加算したレート
2.00%
MUFGカード(三菱UFJカード含む)2024年8月13日請求分より、NICOSカード/JAカード 2024年8月27日請求分より改定
オリコ
3.85%
1.60%
外貨でのクレジットカードご利用における海外事務処理費用改定のお知らせ 改定時期 2024年12月~2025年1月中
ジャックス
3.85%
-2025年7月1日以降に受領する売上より。JCBブランドカードはJCBが定める1.60%とジャックスが定める2.25%(税込)
ジェーシービー--
1.60%
-
セゾンカード
3.85%
(2024年12月4日(水)以降)
dカード
2.20%
---
NICOSカード
3.85%
--
ビューカード
3.85%
1.60%
2024年12月5日(木)以降にVisa、Mastercardの決済センターで処理を行った利用分より適用
PayPayカード
3.85%
2025年3月10日(月)改定
ポケットカード
2.20%
1.90%
1.60%
3.85%
Visa、Mastercardは8月1日以降、JCBは11月1日以降改定
三井住友カード
3.63%
--(2024年11月1日(金)以降)
三井住友トラストクラブ
2.0%
(コンパニオンカード含む)
--1.3%TRUST CLUB クリアカード:2.5%
三井住友トラストカード
3.63%
UCカード
3.85%
--2024年12月4日(水)以降処理された利用分より
ラグジュアリーカード-
1.63%
--
-
2.85%
--2025年7月30日以降、Mastercard決済センターで処理された利用分より適用
楽天カード
3.63%
(2025年3月1日(土)以降)

 

アメリカン・エキスプレスが外貨取扱手数料改定 2025年8月1日以降

改定内容

以下の通り、外貨取扱手数料を変更になります。

改定前 ⇒ 2.0%
改定後 ⇒ 3.5%

改定日

個人カード/ビジネス・カード 2025年8月1日(金)

外貨手数料の変更について|クレジットカードはアメリカン・エキスプレス(アメックス)

アプラスが事務処理手数料改定 Mastercard 2025年7月30日以降

アプラスも海外事務処理手数料(外貨でのショッピングご利用の際に弊社が海外利用に係る事務処理コストとして設定している手数料)の改定です。

変更内容

変更前:1.60%⇒変更後:3.85%
変更前:1.63%⇒変更後:3.85%
変更前:1.63%⇒変更後:2.85%

改定時期


2024年12月20日以降ご利用分より
※加盟店からのデータ持ち込みタイミング、弊社への到着タイミングによっては、12月19日以前のご利用分でも変更後の海外事務手数料が適用される場合がありますので、あらかじめご了承ください。

2025年1月7日以降にVisaWorldwideで処理されたご利用分より

2025年7月30日以降にMastercard決済センターで処理されたご利用分より

海外でのご利用について | アプラス SBI新生銀行グループ

エポスカードが事務処理手数料改定 2025年7月1日以降

【改定内容】

⑴改定となる手数料
外貨でのショッピングご利用時の事務手数料

外貨によるショッピングご利用代金を円貨へ換算する際、Visaが定める為替レートに加算する費用で、お客さまへのご請求(円貨換算後)に含まれております。

⑵手数料の改定内容
改定前:2.20%
改定後:3.85%

例:外貨でのショッピングで100ドル(為替150円換算15,000円)をご利用いただいた場合、ご請求額は以下のとおりです。
改定前:15,000円×2.20%→15,330円(税込)
改定後:15,000円×3.85%→15,577円(税込)

⑶手数料の改定時期
2025年7月1日(火)ご利用分より

Visa決済センターにて、2025年7月1日(火)以降処理されたご利用分より適用させていただきます。

外貨でのショッピング利用時の事務手数料改定のお知らせ – エポスNet

クレディセゾンが事務処理手数料改定 2024年12月4日以降

セゾンカードも外貨でのショッピング利用に伴う海外事務処理手数料改定です。

Visa・Mastercard 改定前 2.20%(税込)⇒改定後 3.85%(税込)
JCB 改定前 2.15%(税込)⇒改定後 3.85%(税込)
AMEX 改定前 2.00%(税込)⇒改定後 3.85%(税込)

外貨ショッピングで100ドル(1ドル100円換算=10,000円)を利用した場合の請求額は、手数料385円が加算され請求額は10,385円になります。

Visa、Mastercard、JCB、AMEX各ブランド決済センターにて、2024年12月4日(水)以降処理されたご利用分より適用になります。

外貨でのショッピングご利用に伴う海外事務処理手数料改定のお知らせ | クレジットカードはセゾンカード

三井住友カードが事務処理手数料改定 2024年11月1日以降

三井住友カードも外貨でのショッピング利用に伴う海外事務処理手数料改定です。

クレジットカード(Visa・Mastercard)改定前 2.20%(税込)から改定後 3.63%(税込)に、
デビットカード(Visa)改定前 3.05%(税込)改定後 3.63%(税込)になります。

2024年11月1日(金)以降に三井住友カードに到着した売上より適用です。

外貨でのショッピングご利用に伴う海外事務処理手数料改定のご案内|クレジットカードの三井住友VISAカード

三菱UFJニコスが事務処理手数料改定 2024年8月請求分以降

三菱UFJニコスのクレジットカードでは、外貨でのショッピング利用に伴う事務処理手数料が2.00%(税込2.20%)から3.50%(税込3.85%)へと大きく改定されました。

Visa/Mastercardの国際ブランドが対象です。MUFGカード(三菱UFJカード含む)は2024年8月13日請求分より、NICOSカード/JAカードは2024年8月27日請求分より適用です。

外貨でのショッピングご利用代金を円貨へ換算するための事務処理手数料改定のお知らせ|クレジットカードなら三菱UFJニコス

ブランドプリペイドカードの海外事務手数料

ブランドプリペイドカードとは、国際ブランドが付いたプリペイドカードで、チャージした金額の範囲内で利用できます。海外事務手数料の一覧を掲載しておきます。

プリペイドカード
海外事務手数料(%)参照
Revolut0%両替手数料のみ
Wise0%両替手数料のみ
IDARE0%海外のお店でも利用できますか? – IDARE

※海外で現地調査の結果も0%(2023/2~2024/5~2025/4~)
MIXI M(旧6gram)3%海外通貨での決済について
Kyash3%
海外利用、海外通貨での決済における留意事項
au PAY プリペイドカード4%海外利用、海外通貨での決済における留意事項
ANA Pay4.07%【タッチ払い】海外でも利用はできますか。 | ANA Pay(タッチ払い)
B/434.5%海外事務手数料とは? - B/43 ヘルプ
dカードプリペイド4.7%dカード プリペイドを海外で利用した際、手数料はかかりますか? | 三井住友カード株式会社

ブランドデビットカードの海外事務手数料

ブランドデビットカードとは国際ブランドが付いた即時決済型のデビットカードのことです。海外事務手数料の一覧を掲載しておきます。

デビットカード
海外事務手数料(%)参照
Sony Bank WALLET1.79%海外利用時の手数料| Sony Bank WALLET(Visaデビットカード)|MONEYKit - ソニー銀行
住信SBIネット銀行2.50%手数料分がキャッシュバックになるデビットカード海外事務手数料優遇プログラムあり。
三井住友銀行3.63%デビットカード : 三井住友銀行

クレジットカード利用に限らず、海外では外貨両替にも手数料がかかるので、どちらがお得かレートを見て判断してください。

キャッシングして現金で支払った方がお得な場合も

クレジットカードを利用して海外のATMから現金をキャッシングした場合は、引き出した金額+α(ATM使用料や金利など)が請求額となります。

例えば、100ドルをキャッシングした場合、1ドル100円、(クレジットカード会社が決めるキャッシング用のレート)×100ドル=10,000円にATM使用料(2~300円ほど)やクレジットカード会社によって異なる金利を加算した金額が請求額となります。

ATM使用料は欧米やリゾート地などでかかることがありますが、かからないこともあります。

キャッシングの場合、ショッピングでの利用と違って金利を支払うことになりますので、ご利用には注意が必要です。

キャッシングの金利は、時間が経てば経つほど高くなっていきますので、海外で多額のキャッシングを利用した場合は、帰国後、ご利用のクレジットカード会社に電話連絡をして早期返済することをおすすめ致します。

その際、キャッシング利用分を早期返済したい旨をお伝えし、キャッシング利用分のみ、先払いされることをおすすめ致します。

その場合は、銀行振り込みあるいはPay-easy(ペイジー)になることが多いです。

クレジットカード会社から指定された振込先に指定金額を振込する形になります。

滞在中にオンラインで返済できるカードもあります。

海外で多額の現金を持ち歩きになることはおすすめできませんが、金利分を考えてもクレジットカードのキャッシングは、リゾート地の空港やホテルの高いレートより、よいレートで両替することができるでしょう。

ショッピングもキャッシングも「円貨決済は選ばない」

空港や大きな免税店などでは、クレジットカード払いの際に、日本円決済か外貨決済か聞かれる場合があります

クレジットカード払いで日本円を選ばれた場合には、その日のレートでの換算になりますが、外貨を選ばれた場合には、後日のレートになります。

急激な円高などがあったときには、日本円を選んだ方がいいように思われるかもしれませんが、基本的に外貨を選ぶことをお勧めします。

日本円での決済には店舗が設定した両替手数料がかかります。その場合の両替手数料は非常に高くなっていることが多いです。

驚きのレートが隠されているので注意が必要です。「円貨決済は選ばない」のが鉄則です。

ポイント還元も加味したカード選びを

クレジットカードの場合、海外利用時や外貨決済時にポイント付与率がアップするカードがあります。

たとえばアメリカン・エキスプレスのプラチナ・カードは、メンバーシップ・リワード・プラス「海外利用ボーナスポイントプログラム」により、外貨建て決済が100円=3ポイントになります。

決済カード選びは海外事務手数料とポイント還元率の両方を把握し、総合的に判断してください。

外貨決済時のポイント還元率備考
アメックス プラチナ・カード3%個人向けプラチナ・カード会員限定のオプションプログラム「海外利用ボーナスポイントプログラム(無料)」に登録すると、外貨建ての利用が100円=3ポイント(通常ポイント1ポイント+ボーナスポイント2ポイント)。※ 決済通貨が⽇本円の場合は対象外
三井住友カード プラチナプリファード3%~4%(+2%)100円(税込)ごとにプラス2ポイント。国内の加盟店で外貨決済した取引は対象外。
学生専用ライフカード3%キャッシュバック※年間最大キャッシュバックは100,000円まで。
※事前申込要/海外でのショッピング利用が対象。
※インターネット海外サイト、国内免税店、機内販売は対象外
デルタ スカイマイル アメリカン・ エキスプレス・ゴールド・カード1.5%海外ご利用ボーナスマイル1.5倍
デルタ スカイマイル アメリカン・ エキスプレス・カード1.3%海外ご利用ボーナスマイル1.3倍
JCB ORIGINALシリーズ1%~1.5%
(基本還元率+0.5%)
カードご利用代金明細書」の発送を止めるMyJチェックの登録で、海外での利用分(海外加盟店のオンラインショッピングを含む)がOki Dokiポイント2倍

おすすめの外貨決済方法は

ポイント還元率と海外事務手数料率のバランスを踏まえたカード選びですが、ANAのライフソリューションサービスやJAL Life Status ポイント、三井住友カード プラチナプリファードのボーナスポイントなど、「決済実績の達成」が目的でない限りは、海外事務手数料の低さを重視するのがベストです。

海外手数料を最重視するなら、プリペイドカード「IDARE」が有力。2025年4月現在、海外事務手数料がかからないため、クレジットカードからチャージして使うことで手数料ゼロを実現できます。少ないですが、チャージでポイントが付与されるカードもあります。

また、クレジットカードで直接決済する場合は、イオンカード(国際ブランド問わず)が海外事務手数料1.6%と低水準です。

  • アメリカン・エキスプレス発行カード現在2.0%、2025年8月1日以降は3.5%に引き上げ予定)
  • イオンカード(国際ブランド問わず1.6%)
  • JCBブランドのカード(多くが1.6%)
  • ダイナースクラブカード(1.3%)
  • dカード(2.2%)
  • ラグジュアリーカード(1.63%)

などが候補に挙がります。

最近は多くのカードで手数料が引き上げられているため、2.2%以下であれば合格ラインといえるでしょう。

なお、アメックスのプラチナ・カードは、外貨決済に対して3%のポイント還元があるため、現時点では「還元率 ー 手数料」でまだプラスになります(ただし2025年8月以降はマイナスになる見込みです)。

国際ブランドのレートを調べるには

各国際ブランドで為替レート計算機を用意しています。以下のサイトで調べてみてください。

Visaの為替レート計算機

Mastercardの為替レート計算機

JCB 直近3か月の基本レートが公開されています。

2011年1月22日 作成
2025年7月6日更新


メルマガクレジットカードを選ぶとき、「ポイント還元率が高いから」「キャンペーンが魅力的だったから」「周囲が使っているから」といった理由で選んでいませんか?もちろん、それらも立派な判断材料です。しかし、目先のお得さばかりを追い求めてカードを増やしていくと、ポイントが分散してしまい、結果的に思ったほど貯まらない…ということも少なくありません。その原因は、「入口」にフォーカスしているからです。

入口=どこで使うか、出口=カードになにを求めるか、決済金額=一年にどれくらい使うか。

この3つを掛け合わせて分析することで、はじめて“本当に使える”クレジットカードが見えてきます。なかでも最も重要なのが、「出口=目的」を明確にすること。何を得たいのかがはっきりすれば、カード選びも自然と決まります。当サイトでは、「出口から逆算して決済金額に最適化する」ことを提案しています。

ポイ活しないで大量にポイントを貯める秘訣はメルマガで・・・

今週の人気記事TOP10

このエントリーをはてなブックマークに追加

Comments


専門家に聞いたここだけの話

  • 世界初のクレジットカード。その歴史を紐解く <クレジットカード温故知新>
  • キャッシュレス決済を推進するためにはユーザーのメリットより加盟店のメリットを考えるべき
  • Money20/20のPayment Raceから見えた世界のキャッシュレス決済の姿
  • 1回払いは手数料がかからないのにポイントがもらえるのはなぜ?

特徴・機能別クレジットカード