2022年12月より所得税、法人税、消費税などの国税の支払いにスマートフォンからのPay払いが利用できるようになりました。
利用できるPAY払いは6つです。楽天ペイは今のところ、国税の支払いには利用できません。
- Amazon Pay
- au PAY
- PayPay
- d払い
- LINE Pay
- メルペイ
これまでも、国税は「国税クレジットカードお支払サイト」からクレジットカードで支払えていました。この支払い方法では、納める税金1万円ごとに0.836%の手数料がかかります。ですので、手数料よりも還元率が高いクレジットカードで支払えば、現金や銀行振込よりもお得に税金が支払えます。
納付額 | 決済手数料(税込) |
---|---|
1円〜10,000円 | 83円 |
10,001円〜20,000円 | 167円 |
20,001円〜30,000円 | 250円 |
30,001円〜40,000円 | 334円 |
40,001円〜50,000円 | 418円 |
50,001円〜 | 以降も1万円を超えるごとに手数料が加算 |
それに対して、スマホのPAY払いでの国税支払いでは、手数料が一切かかりません。手数料がかからないだけでなく、それぞれのPay払いにチャージしたり、国税を支払う時にポイントが還元されます。
中でもAmazon Payがポイント還元率、支払える上限ともに高く、国税の支払いでは他のPAY払いと比べて大きくリードしています。
Amazon Payを始め、どのPAY払いがどれくらいのポイント還元を受けられるのか、チャージできる上限額はいくらか、などを分かりやすく解説していきます。
この記事によって分かること
国税のPAY払いのメリット・デメリット
スマホのPAY払いで国税を支払うのは、もちろんメリットのほうが大きいのですが、デメリットと注意点をしっかりと押さえておきましょう。
国税のスマホPAY払いのメリット
・税金を支払ってポイント還元を受けられる
・24時間・365日いつでも納付できる
・事前申請などは必要なし
PAY払いでの国税の支払いは、事前の申請なども必要なく、24時間365日いつでも税金を支払えるといった使いやすさももちろんですが、一番のメリットは、決済手数料がかからないことです。
加えて、使うPAY払いによってはポイント還元も受けられるのも魅力ですね。
国税のスマホPAY払いのデメリット
・1回の納付は30万円→30万円以上は複数回に分けて納税
・月間のチャージ上限が30万円以下のPAY払いが多い
国税のPAY払いは、スマホで完結するので領収書は発行されません。領収書がどうしても必要な場合は、PAY払いではなく、金融機関や管轄の税務署の窓口で現金での納付になります。
国税のPAY払いで支払える納付額は「1回30万円まで」です。1回に支払えるのは30万円までですが、複数回利用することで、30万円以上の税金も支払えます。
そして、ここが一番気をつけておきたいデメリットですが、それぞれのPAY払いによって、月間のチャージの上限額、1回のチャージ上限額などが決まっています。そして多くのPAY払いの月間のチャージ限度額は30万円以下に設定されています。つまり、30万円以上の税金を支払うのであれば、計画的に数ヶ月かけてチャージしておかなければなりません。
チャージ残高の受入上限(100万円のPAY払いが多い)や、税金の支払い期限などを考えると、100万円を超える税金をひとつのスマホのPAY払いで支払うのは、チャージの上限を設定していないAmazon Payを除いては厳しいでしょう。もちろん30万円以内の納税であれば、どのPAY払いからでもスムーズに行なえます。
国税のスマホPAY払いの注意点
それぞれのPAY払いには色々な支払い方法がありますが、国税の支払いに使えるのはチャージされた残高だけです。
「PayPayの後払い」や「d払いのクレカ払い」、「LINE Payのチャージ&ペイ」などは、残高からの支払いではないため国税の支払いには利用できません。
国税PAY払いのポイント還元
スマホのPAY払いで国税を支払えば、「国税クレジットカードお支払いサイト」のような手数料がかからないので、それだけですでにお得です。更にポイント還元のあるPAY払いを使えば、税金が少し戻ってくる感じで嬉しいですよね。
国税のPAY払いでポイントが還元されるのは、この2箇所です。
・PAY払いで国税を支払った時
どちらもポイント還元がないPAY払いもあれば、どちらか一方のみポイント還元されるPAY払いもあります。
この「ポイント還元率」と先程の「残高チャージ上限」からご自身にあったスマホPAY払いをチョイスしましょう。
お得な国税ペイ払いはどれ?還元率と残高へのチャージ上限で比較
PayPay | d払い | au PAY | LINE Pay | メルペイ | Amazon Pay | |
---|---|---|---|---|---|---|
国税のPAY払い ポイント還元 |
⭕ 0.5%〜1% |
⭕ 0.5% |
⭕ 0.5% |
❌ | ❌ | ❌ |
クレジットカードからチャージ ポイント還元 |
❌ | ❌ | △ 1% |
❌ | ❌ | ⭕ 1.5%〜3% |
チャージ上限 | 25万円/30日 | 30万円/月 | au PAYカード 25万円/月 その他のカード 5万円/月 |
50万円/1回 | 20万円/1日 | 50万円/1回 |
残高の(支払)上限 | 残高支払上限 50万円/24時間 200万円/30日 |
残高上限 100万円 |
残高上限 100万円 |
残高支払上限 100万円/1回 |
残高支払上限 100万円/日 300万円/月 |
上限なし |
おすすめクレカ | PayPayカード | 特になし | au PAY ゴールドカード | 特になし | 特になし | Amazon Mastercard アメックス・グリーン(ビジネス)など |
国税をPAY払いで支払ったときのポイント還元、チャージ上限などをざっくりと比較した表です。これを見ると、LINE Pay、メルペイはポイント還元がなく、ポイント還元があって、上限を気にせず税金を支払えるのはAmazon Pay1択となるのが見て取れますね。
それぞれのPAY払いをもう少し詳しく見ていきます。
Amazon Payで国税を支払う
Amazon Pay | |
---|---|
ポイント | Amazonポイント |
国税のPAY払い ポイント還元 |
❌ 国税の支払いはポイント還元対象外 |
クレジットカードからチャージ ポイント還元 |
⭕1.5%〜3%以上 |
チャージ上限 | 50万円/1回 |
残高の(利用)上限 | 上限なし |
おすすめクレカ | AmazonMasterCard アメックス・グリーン(ビジネス) キャンペーンやステータス修行などにも |
・クレジットカードを選ばない
・30万円以上の税金も支払える
Amazon Payは、使うクレジットカード次第でポイント還元率も高くなりますし、残高の上限も設けられていないので、高額な国税の支払いにも使え、最もお得な国税の支払い方法と言っていいでしょう。
Amazon Payでは、チャージした「Amazonギフト券」が、他のPAY払いで言うところの「チャージ残高」にあたります。その残高を使ってAmazon Payで支払うと、普段はAmazonプライム会員であれば、1%、通常会員であれば0.5%のポイントが還元されますが、国税の支払いはポイント対象外となっています。
クレジットカードからAmazonギフト券をチャージすると、そのカードの還元率によってポイントが還元されます。このAmazonギフト券をお得に購入する方法は色々ありますが、シンプルにクレジットカードから購入するのであれば、Amazon Mastercardやアメックス・グリーンなどがおすすめです。
Amazon Payにおすすめのカード
Amazon Mastercard・Amazon Prime Mastercard
Amazon Mastercard、Amazon Prime Mastercardは、どちらも年会費無料のクレジットカードですが、プライム会員の人はAmazon Prime Mastercardで、プライム会員でない通常会員の人はAmazon Mastercardになります。
これらのカードでAmazonギフト券を購入するとAmazonのプライム会員であれば2%、通常会員であっても1.5%の還元が受けられます。
アメリカン・エキスプレス®・グリーン・カード
意外と知られていませんが、アメックス・グリーン・カード、アメックス・ゴールド・プリファード、アメックス・プラチナ・カードといったアメリカン・エキスプレスのプロパーカードは、個人用カードでもビジネスカードでも、「メンバーシップ・リワード・プラス」への登録を通じて(グリーン・カードは年間参加費3,300円(税込))、Amazonでの購入に対して3%のポイント還元が受けられます。もちろんAmazonギフト券の購入でも3%が還元されます。
Amazonギフト券をアメックスで購入し、Amazon Payでギフト券を利用して国税を支払うと、たとえば税金が100万円だった場合、3万円分のポイントバックが得られます。この方法では、アメックス・グリーンの年会費は余裕でカバーでき、アメックス・ゴールド・プリファードの場合でも年会費に近しい額が戻ってきます。また、Amazonでの通常の買い物にも3%のポイント還元が適用されます。
このアメックス、実は「国税クレジットカードお支払いサイト」からクレジットカード決済でそのまま税金を支払うと、基本還元率の1%が0.5%に半減して手数料負けをしてしまいます。ですが、Amazon Payで税金を支払う場合、アメックスで購入するのはAmazonギフト券ですので、還元率は半減されるどころか、3%の高い還元で税金を支払えるのです。
少し手間はかかりますが、この手続きを誤ると本来受け取れるはずの3%のポイント還元が0.5%に減少してしまうため、注意が必要です。
入会キャンペーンやホテルステータスの修行
また、◯ヶ月以内に〇〇万円の利用で◯万ポイントがもらえる、といったクレジットカードの新規入会キャンペーンや、Marriott Bonvoyアメックスプレミアムやヒルトンアメックスプレミアムなどのホテルステータス修行の足しとして、Amazonギフト券を購入しておくといった使い方もできますね。
Amazonギフト券の有効期限は購入してから10年なので、国税の支払いのタイミングまで安心して持っていられます。
といったように、Amazon Payは、Amazonギフト券をどのクレジットカードで購入するかによってポイント還元率が変わり、カードを選ばないところも特長です。
ただし、楽天カードのように普段の還元率は1%ですが、税金の支払いで利用すると0.2%還元に落ちるといったカードもあるので気をつけてください。
Amazon Payでいくらまで国税を支払えるの?
Amazonギフト券を1回にチャージできる金額は50万円までです。そして、PAY払いでの国税の支払いは1回に30万円までです。100万円の税金を支払うとしたら、2回に分けてアマゾンギフト券を購入し、4回に分けて国税を支払うことになります。
数百万円のAmazonギフト券をクレジットカードで購入するには、そもそもクレジットカードの与信枠(利用可能額)がないと購入できませんが、当サイトでは、Amazon Payで500万円の国税を支払った事例の確認が取れています。
au PAYで国税を支払う
au PAY | |
---|---|
ポイント | Pontaポイント |
国税のPAY払い ポイント還元 |
⭕ 0.5% |
クレジットカードからチャージ ポイント還元 |
△ au PAY ゴールドカード 1% au PAY カード なし その他のカード カードの還元率による |
チャージ上限 | au PAYカード 25万円/月 その他のカード 5万円/月 |
残高の(利用)上限 | 残高上限 100万円 |
おすすめクレカ | au PAY ゴールドカード |
・月のチャージ上限25万円(au PAY (ゴールド)カード)
・5万円以下の税金なら高還元のクレジットカードでチャージも
au PAYの残高で国税を支払うと0.5%のポイントが還元されます。
au PAY カードもしくはau PAY ゴールドカードで月に25万円までの残高チャージができます。それ以外のカードでは、月に5万円までです。au PAY カードとその他のカードを合算しても30万円とはならず、合わせても月に25万円までしかチャージできません。
ノーマルカードのau PAY カードで残高チャージをしてもポイント還元はありませんが、au PAY ゴールドカードであれば1%のポイント還元が受けられます。ですので、支払い時の0.5%と合わせて1.5%のPontaポイントが受け取れます。とはいえ、au PAY ゴールドカードの年会費は11,000円(税込)ですので、年会費をペイするには、25万円のチャージを4ヶ月に分けて繰り返し、100万円の税金を支払う必要があります。
すでにお持ちの方であれば、お得に支払えますが、国税の支払いのために作るのであれば、Amazon Payを使うほうが手間もかからずポイントも多く獲得できるでしょう。
その他のカードからチャージした場合は、そのカードの還元率のポイントが受け取れますが、月に5万円しかチャージできないことと、楽天カードのようにau PAYにチャージはできるけれどポイント還元されないカードもあるので気をつけましょう。
PayPayで国税を支払う
PayPay | |
---|---|
ポイント | PayPayポイント |
国税のPAY払い ポイント還元 |
⭕ 0.5%〜1% |
クレジットカードからチャージ ポイント還元 |
❌ |
チャージ上限 | PayPayカード 25万円/30日 銀行口座から |
残高の(利用)上限 | 残高支払上限 50万円/24時間 200万円/30日 |
おすすめクレカ | PayPayカード |
・チャージ上限25万円/30日
・キャリア決済で設定しているクレジットカードから残高チャージできる(最大10万円まで)
PayPayで国税を支払うと、PayPayステップの達成条件により、一般の人は0.5%のポイント還元が受けられます。月に200円以上の買い物(2023年7月1日より300円→200円に変更)を30回以上かつ10万円以上をクリアした翌月は0.5%がプラスされ、合計1%がポイント還元されます。
PayPayに残高チャージできるクレジットカードはPayPayカード(もしくはゴールド)だけです。ですが、PayPayカードから残高にチャージをしてもポイントの還元はありません。
PayPayカードからのチャージの上限は、30日間で25万円までです。PayPayカードからの残高チャージでポイントは貰えないので、25万円以上の税金をPayPayで支払うなら、24時間で上限50万円、30日間で上限200万円の銀行口座からのチャージを利用する方がスピーディーに支払えます。
また、PayPayは、Softbank、Ymobile、LINEMOユーザーであればキャリア決済(スマホの代金と一緒に支払う決済方法)に設定しているクレジットカードから残高チャージができ、そのカードのポイント還元を受けることができます。キャリア決済の上限は最大でも10万円までで、月に2回目以降のチャージには2.5%の手数料がかかる(2023年8月以降)点にも注意が必要です。
d払いで国税を支払う
d払い | |
---|---|
ポイント | dポイント |
国税のPAY払い ポイント還元 |
⭕ 0.5% |
クレジットカードからチャージ ポイント還元 |
❌ |
チャージ上限 | 30万円/月 |
残高の(利用)上限 | 残高上限 100万円 |
おすすめクレカ | 特になし |
d払いで国税を支払うと0.5%のポイント還元が受けられます。
d払いの残高にはクレジットカードからのチャージができません。dカードからであってもできません。したがって、チャージ時のポイント還元はありません。残高へはATM、銀行口座、コンビニからチャージします。ひと月のチャージ上限は30万円までです。
また、dカードとd払いを連携させて支払うdカードからの支払いは、「残高からの利用」にならないので国税の支払いには利用できません。
LINE Payで国税を支払う
LINE Pay | |
---|---|
ポイント | LINEポイント |
国税のPAY払い ポイント還元 |
❌ |
クレジットカードからチャージ ポイント還元 |
❌ |
チャージ上限 | 50万円/1回 |
残高の(利用)上限 | 残高支払上限 100万円/1回 |
おすすめクレカ | 特になし |
LINE Payはクレジットカードから残高にチャージできませんし、国税を支払ってもポイント還元はありません。
また、Visa LINE PayクレジットカードなどをLINE Payのアカウントに登録して支払う「チャージ&ペイ」は、名前にチャージと入っているので紛らわしいですが、チャージ残高からの支払いではないので、国税の支払いには利用できません。
メルペイで国税を支払う
メルペイ | |
---|---|
ポイント | メルカリポイント |
国税のPAY払い ポイント還元 |
❌ |
クレジットカードからチャージ ポイント還元 |
❌ |
チャージ上限 | 20万円/1日 |
残高の(利用)上限 | 残高支払上限 100万円/日 300万円/月 |
おすすめクレカ | 特になし |
・メルカリの売上金で税金が支払える
メルペイは支払い時のポイント還元はありませんし、クレジットカードからの残高チャージもできないので、国税の支払いでポイントは還元はされません。
ですが、メルカリの売上金を残高として使えるので、不用品を売った売上金で税金が支払えるのは、他のPAY払いにはない特長ですね。
所得税、法人税、消費税の支払いは、Amazon Payがオススメ!
所得税、法人税、消費税などの国税の支払いには、スマホのPAY払いが手数料もかからず、ポイントも還元されてお得ということをここまで見てきました。
PayPay、d払い、au PAYでは、月に25万円(もしくは30万円)までの税金の支払いであれば、サクッとチャージして支払って、0.5%のポイント還元を受けられますね。
ですがやはり、国税のスマホのPAY払いで最も注目すべきは、Amazon Payでしょう。Amazonギフト券を購入するクレジットカードによっては3%以上の還元率で、1回30万円までの国税の支払いを繰り返すことで、数百万円の税金も支払えます。
ポイント還元率においても、残高へのチャージ上限においても他のPAY払いより頭2つくらい抜きん出ています。
普段から使い慣れているPAY払いで国税を支払うもよし、ポイント還元率の高いお得なPAY払いで支払うもよし、ご自分に合ったPAY払いで、お得に国税を支払いましょう。
高還元率のクレジットカードで国税を支払うという選択
PAY払いでの国税の支払いは、月々の残高へのチャージの上限があったり、上限のないAmazon Payであっても、Amazonギフト券を複数回に分けて購入し、国税の支払いも30万円ずつ、分割して支払う必要があります。
数百万円の税金を支払うのであれば、手数料負けしない高還元率のクレジットカードで「国税クレジットカードお支払いサイト」から支払うという選択もあります。
経営者が税金を支払うのに最適な、しっかり利用限度額があって、還元率も高いクレジットカードをこちらで紹介しています。
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2023年6月26日 作成
2024年3月3日更新
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