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法人カードの中には年会費を払わなくても持てるカードが存在します。

法人カードというと、経営者向けの手厚いサービスを備えているため「年会費がわりと高い」または「審査や条件が厳しい」といったイメージがありますが、実際は年会費無料で法人サービスを提供してくれているカード会社も存在します。

今回は、年会費無料の法人カードにはどういった種類のものがあるのか、また、年会費のある法人カードとのサービス内容の違いはどんなものなのか、という疑問に焦点をあてて、検証&解説していきたいと思います。

ライフカードビジネス

ライフカードが発行しているド「ライフカードビジネス」は、年会費無料で発行できる法人カードです。

事業をはじめて間もない方なら、まずはこういった法人カードを持つのもいいでしょう。

利用限度額は10~500万円と書かれていますが、限度額により必要書類が変わります。

保証人として代表者の連帯保証が必要です。

なおビジネスカードの申し込みには登記事項証明書、決算書2期分(100万超の場合)と法人もしくは代表者名義の不動産謄本(500万超の場合)、代表者の本人確認資料が必要となります。

個人事業主の場合は、事業主の本人確認資料、2期分確定申告書(100万超の場合)のみで大丈夫です。

ライフカードビジネスには、出張が多い方のために「トラベルゲート」と「LIFE DESK」というアシスタントサービスが2つ付いています。

「トラベルゲート」は海外&国内航空券・宿泊施設をオンラインで簡単に手配できるサービスです。

オンライン上で行き先、出発日、旅行期間などの条件を自分で指定し、約1万コースの中からその条件に合ったツアーの照会、予約が可能なので、出張時などにとても役立つサービスです。

また『LIFE DESK』は世界主要都市20カ所に設置されたライフカード会員専用の窓口で、現地スタッフが日本語で案内をしてくれます。

海外出張の出発前や出生先での情報収集、ホテル・レストランなどの予約、カードの紛失・盗難時の手続き案内、病気やケガをしたときの医師や病院の紹介・手配などに利用できますね。トラブルをすぐに解決してくれます。

さらに全国のレンタカーが5~30%割引になる優待サービスもついています。

国内出張が多い方の場合、レンタカーを使う機会もあると思いますので、こういった優待を最大限活用することによって経費の節約ができるでしょう。

また接待などに使えるゴルフサービスも付いています。

全国約2,200のゴルフ場の中から24時間いつでも検索、プレー予約ができます。

全国の保養所・スポーツジム・介護・育児・医療サービスが割引料金で利用できる福利厚生サービスも優待価格で用意されています。

 ライフカードビジネス

実質年会費無料!セブンカード

実は「セブンカード」も年会費無料の法人カードを発行しています。

最初の一年は何もせずとも無料ですが、次の年からは「前年度に5万円以上カードショッピングをおこなった場合」という条件を満たすことで年会費無料になります。

条件を満たせない場合は年会費550円(税込)が請求されますが、非常にハードルの低い条件なので、クリアは確実でしょう。

セブンカードの法人版は、利用可能枠が30万円~100万円です。

ですが法人向けセブンカードは、代表者の方を含めて最大8枚まで発行することができます。

使用者の追加は「セブンカード(法人)使用者追加申込書」に必要事項を記入するだけで簡単に発行できます。

カードを複数枚契約した場合、それら複数枚のカード全体における利用可能枠は、各カードに設定された利用可能枠のうち最も高い金額となり、それら複数枚のカードにおける利用可能枠の合計金額にはなりません。

つまり8枚発行したらそれぞれのカードで最大100万円は利用できるということです。

社員が1~8人ほどいる中小企業や自営業の方などにおすすめの法人カードであるといえます。

さて、法人向けセブンカードですが、このカードでは「セブンカードのポイント」を貯めることができます。

JCB加盟店で利用すれば200円ごとに1ポイントが付与され、またセブンカードはセブン&アイ系列のお店に対する優待が多く、イトーヨーカドー、ヨークマートでのお買物分にはカードを提示して現金で支払った場合は100円につき1ポイント付与、またクレジット払いでも100円ごとに1ポイント、200円ごとに1ポイントが貯まります。

経費に関するサービスもあり、会社内で使用額を照合しカード契約法人名義の支払い口座に自動振替してくれます。

また「法人カード利用代金明細書」では社員ごとのカード利用状況がひと目で確認できるので、カードの管理もかなり楽になります(MyJCBサービスに登録すればオンラインでも確認できます)

このカードの便利な点は、貯まったポイントをnanacoにチャージして1ポイント=1円として利用できるところですね。

イトーヨーカドー、ヨークマートでの支払い時にも同レートで現金代わりに利用できます。

さらに毎月8のつく日(8日、18日、28日)は、全国のイトーヨーカドーで食料品・衣料品・住まいの品がカード提示で5%割引になります。

 セブンカード(法人)

ガソリンン割引のあるコーナンPRO BusinessCard!

個人事業主向けのビジネスカードとしては「コーナンPRO BusinessCard」もあげられます。

コーナンとは全国にあるホームセンターの名前で、コーナン商事株式会社が運営しています。

そのコーナン商事とポケットカードが提携して生まれたのがこの年会費無料ビジネスカードです。

「コーナンPRO Business Card」の特徴は、利用から支払いまでの期間が最長3ヶ月と、普通よりも少し長めに設定されていることでしょう。

たとえば4月に利用したショッピング利用代金は7月1日の引き落としになります。

利用から請求までが通常のカードよりも長いので、事業主の資金状況に合わせて柔軟に対応できるようになっています。

なおカード利用1,000円につき1ポイントのポケットポイントが付与され、ポイントの交換はコーナン商品券と交換可能です。

また代表者カードと一緒に5枚まで「従業員向カード」を発行することができます。発行料金も年会費も無料です。

ただし従業員が利用できるのは、コーナン各店舗と伊藤忠エネクス系列サービスステーションのみ。

従業員カードの支払いは代表者の元にまとめて請求されるので、精算処理の一本化に役立ちます。

コーナンフリート直営 SS・伊藤忠エネクス系列SS でのガソリン割引サービスなどを用意しており、それぞれのGSでリッターあたり2円引きになります。

ただしETCカードは発行手数料1,100円(税込)が必要です。

 コーナンPRO BusinessCard

起業一年未満!年会費無料法人カード、業暦が浅くても作れる?

法人カードを申し込むにあたって、気になるのが「業暦が浅くても審査は通るのか?」という点です。

法人カードには各法人カードごとに審査条件があり、たとえば中には「業歴3年以上で、2年連続黒字決算の法人または個人事業主の方」といった具体的な内容を提示しているものもあります。

代表者の経営状況を把握するためなので致し方ないともいえますが、事業を始めたばかりでまだ業暦がない場合に困りますよね。

その点、年会費無料法人カードはそれほど条件をきつくしていないものもあります。

たとえば コーナンPRO BusinessCardは個人事業主様で20歳以上から65歳未満の方、という条件しか提示していないので黒字や赤字といった決算に関する具体的な条件は出していません。

またセブンカードも18歳以上の法人または個人事業主、という条件のみです。

ただ、ライフコーポレートは2期分の確定申告書が必要になってくるので他の二枚のカードよりも審査のハードルは若干高いかもしれません。

 
セブンカード(法人)

ライフカードコーポレート

コーナンPRO BusinessCard
初年度年会費 無料 無料 無料
年会費 550円(税込) 無料 無料
年会費無料条件 年間でカードを5万円利用すれば翌年無料
可能発行枚数 8枚    
利用可能枠 30万~100万円 10~500万円
(500万円超の限度額設定の相談可)
 
審査条件 18歳以上の法人または個人事業主 【法人の場合】
登記事項証明書、決算書(2期分)
不動産謄本(法人もしくは代表者所有)※
代表者様のご本人確認資料
※ショッピング500万円超の利用限度額を希望の場合のみ
【個人事業主の場合】
事業主様のご本人確認資料、確定申告書(2期分)
中小法人代表者
・個人事業主で20歳以上の方
・20歳以上65歳未満の方
国際ブランド JCB Master card Master card
ETCカード発行可能枚数   1枚  
ETCカード年会費 無料 無料 新規発行手数料:1,100円(税込)
有効期限更新発行手数料:1,100円(税込)
海外旅行傷害保険
国内旅行傷害保険
ポイントサービス内容 JCB加盟店でのお買物 ・クレジット払いで 200円(税込)ごとに1.0ポイント
イトーヨーカドー、ヨークマートでのお買物
クレジット払い
200円(税込)ごとに2.0ポイント
・カード提示で現金払い
100円(税抜)ごとに1.0ポイント
  カードショッピング利用1,000円につき『1ポイント』のポケット・ポイントをプレ
ゼント
ボーナスポイント 100万円達成→ 3,000ポイント
150万円達成→10,000ポイント
ガソリン割引サービス コーナンフリート直営 SS・伊藤忠エネクス系列 SS でリッターあたり2円引き
(レギュラー・ハイオク・軽油)
ゴルフ場予約サービス
海外アシスタントサービス LIFE DESK
空港ラウンジ

 

年会費無料法人カードの長所と短所は?

年会費無料法人カードには、メリットもあればデメリットも存在します。

メリットはなんといっても年会費無料で持てるという点。

事業を起こして間もない方、また法人カードを持つべきか持たなくてもいいのか曖昧なラインで悩んでいる自営業の方などは、一度年会費無料の法人カードに申し込んで、無料で使い心地を試してみるといったことができます。

逆に弱点ですが、今回紹介した上記3枚のカードに共通して言えることは…

・空港ラウンジサービスなどが付いていない
・手荷物無料サービス、空港での優待など出張むけのサポートは無し
・国内&海外旅行傷害保険が付いてない
・ETCカードの複数枚発行ができない
・接待用のグルメサービス、サポートデスクなどがない
・医療関係のサービスも付かない
・限度額が決められている

といった点になります。

法人カードとしての必要最低限の機能とサービスしか付いていないので、人によっては物足りなく感じるかもしれません。

そして法人カードを選ぶときに重要なポイントは「カードの限度額」です。

接待用や仕事の備品の購入など、様々な用途でカードを利用しているうちに利用額はどんどん広がっていきます。

しかし肝心の法人カードのショッピング枠が低いと、満足に活用することができません。

どの程度の枠なら大丈夫であるかを事前にきちんと把握しておくことが大事になってきます。

たとえばライフカードコーポレートは500万円までの利用枠ですが、それ以上の枠が欲しい方などは、年会費有料でもっと利用額の枠が広い法人カードのほうが向いていると言えます。

年会費のある法人カードの方がサービスは充実

では、無料ではなく年会費有料の法人カードはどうなのでしょうか?やはり年会費があるぶん、サービス面、サポート面ではこちらのほうが圧倒的に上回っていますね。とくに空港ラウンジサービスや、出張に備えたサービス、接待用のお店選びなどを相談できるデスクサービスなどは有料ならではの特典です。

法人カードの年会費は経費で落とせるので、海外出張の多い方、空港を利用する頻度が多い方は、むしろ有料を選んだほうがいいと言えます。

たとえば、JCBが発行している「 ビジネスプラス法人カード(ゴールド)」は年会費11,000円(税込)ですが空港ラウンジと最高1億円の海外旅行保険が付帯されています。

そのうえ「人間ドックサービス」や24時間年中無休で健康に関する相談に無料で答えてくれるドクターダイレクト24、健康チェックサービスなど、仕事面だけではなく肉体面でのサポートも充実させており、年会費以上の価値あるサービスを備えた人気の法人カードです。

ポイントサービスはありませんが、月の利用額によって交通費、出張旅費などが最大で180,000円キャッシュバックされる特典をつけています。

18歳以上の個人事業主なら誰でも申し込めます。利用可能枠は50万円~250万円です。

 ビジネスプラス法人カード

なお1枚のJCB法人カードに対して、複数枚のETCスルーカードN(ETC専用ICカード)を発行することも可能です。

発行料金&年会費は無料です!

とてもコストパフォーマンスの優れた法人カードですが、ひとつだけ注意点をあげるとすればブランドがJCBという点ですね。

国内で使う分にはなんら問題ありませんが、海外ではJCBブランドに対応していないお店も稀とはいえ存在します。

海外遠征の多い方は、VISAやアメックスといったブランドカードを同時に持つことをおすすめします。

またJCB法人カードにはゴールドではなく「一般カード」も存在します。

年会費は1,375円(税込)で、明細書や経費管理関連のサービスはゴールドと同等のものが付きますが、こちらは利用枠が100万までで、サービスも必要最低限に絞られています。

法人カードの中でも、年会費の割りにサービスがピカイチに充実していて、なおかつ業暦が浅くても申込みできる!と定評があるのが「アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールド・カード」です。

アメックスのビジネスカードは、業暦1年未満の若い個人事業主やWEBクリエイターの方などに人気のある法人カードです。

手荷物宅配もクロークサービスも無料で使えるうえ、接待で利用するためのレストランなどを20%オフで紹介してもらえるダイニングサービス、ゴルフサービスなども付いています。また空港関連のサービスの充実っぷりには目を見張るものがあります。

利用限度額が決まっていないので、事前に交渉して自身の望む利用枠にしてもらうこともできます。

このカードの最大のメリットは貯めたポイント(カード利用額100円ごとに1ポイント付与)を1ポイント=1マイルに交換できることでしょう。

つまり経費を使ったぶんだけマイルを稼げるので、月に経費50万円を使った場合、その月に5,000マイルが貯まるという仕組みになります。

貯めたマイルで個人的に旅行に行くもよし、出張に使うもよし、かなりお得なサイクルを持った法人カードです。

 アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールド・カード

無料の法人カードまとめ

無料法人カードは、無料で持てて最低限のサービスが使えるので優秀なカードです。

しかし年会費有料法人カードは、年会費以上の元が取れる上質なサービスをそろえているケースが多く、人によっては結果としてそちらを持ったほうが断然お得だったという場合もあります。

少なくとも飛行機での出張が多い方やマイルを貯めたいという方は、やはりアメックスなどの空港関連サービスの多い法人カードを持つことをおすすめします。

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2014年5月2日 作成
2023年4月10日更新


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