ラスベガスで開催されたコンシューマーエレクトロニクス関連の展示会「CES 2018」で発表された「ロック付きクレジットカード」。実用化は近い。

バッテリー内蔵で、これまでの静的なプラスチックカードより、安全・安心な仕組みが実現できる。決済に利用するときだけ電源をオンにする。使わないときはオフにすればいい。紛失・盗難時など手を離れたときでも安心だ。

三井住友カードが発表したMAMOLEAD(マモリード)は、世界初のロック機能付きクレジットカード。本人が任意に設定したパスコードを、カード券面にあるボタンで入力してアクティベートする。パスコードは1~5の組み合わせで、4桁から8桁の番号を設定できる。券面には16桁のカード番号のうち、最初の4桁と最後の4桁のみが印字されている。その間の8桁は液晶表示になっている。

本人しか知らないパスコードを入力してアクティベートしないと、ICチップは停止、磁気情報も消え、カード番号は非表示なので、決済に使うことはできない。カード利用後は、液晶のカード番号が非表示となり安全だ。2018年中に日本で発行するという。

数年前だが別の取り組みとして、MasterCardとZwipeが世界初の指紋センサーを搭載した生体認証機能付き非接触決済カードを発表している。発表をみると決済端末側の電源を使うことになっているが、カードに電源を内蔵することができれば、全世界にある既設の端末がそのまま使える。

一枚に複数のクレジットカードを内蔵し、切り替えて使うことができる「Wallet Card」にも注目したい。ユニバーサルクレジットカードと呼ばれるこの仕組みは、Coin、Swyp、Plastcなど複数のプロジェクトが立ち上がっては立ち消えになった。Wallet Card はどのアーキテクチャだろうか。

「Plastc」は資金が枯渇し、2017年12月14日 Edge Mobile Payments が買収、Edge Cardのリリースを進めている。このエッジカードは、複数の支払いカードの情報を1つのダイナミックカードに保存、ユーザーは3つの主要な支払い方法(magstripe、EMVチップ、NFC)に対応している。

いずれも端末側での対応は不要で、既存のインフラが使えるのが利点だ。ただし技術的に実現可能だとしても、製造コストが下がらなければ普及は難しい。すでにメタルカードが発行されているが、製造コストがかかるため、年会費が高額なカードに限られている。カード発行時のオプションとしてユーザに負担を強いるか、年会費として徴収しコストを転嫁するか。カードの製造コストをカード会社が負担する限り、年会費無料カードがこれらのエレクトリックカードを採用することは当分無いと思われる。

厚さ0.76mmのカードに電源が入るテクノロジー

電源付きカードは、昨年10月にMoney20/20 US展示会場のICK社のブースでデモを見たが、厚さ0.76mmの中に電源が入るのはテクノロジーの賜物だ。電源が確保できれば、実現できることは変わる。指紋認証付きカードはもちろんのこと、将来的にはカメラを内蔵しての顔認証も可能になるだろう。

プラスチックカードは近いうちになくなると思っていたが、テクノロジーが進化しカードがデバイスとして機能するようになれば、まだまだ活用の幅は広がりそうだ。


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