PayPayの「100億あげちゃう」キャンペーンはマスメディアでも大々的に報道され、ちょっとした一大ブームになった。

全ての買い物で20%キャッシュバックになるだけでなく、抽選で全額バックが当たるという大型キャンペーンである。

家電量販店を訪れると、年末のボーナス時期と相まって、スマホを握りしめた人たちで賑わっている。

キャンペーンのことを知った人のスマホにPayPayアプリがインストールされ、PayPay払いの決済音「ペイペイ!」が鳴り響く。

そして「100億あげちゃう」キャンペーンは12月13日23時59分で終了した。開始からわずか10日で予算は枯渇した。

抽選で当たる全額バックの分を考慮しなければ、PayPay加盟店でおよそ500億円の買い物がされたことになる。1日あたり50億円にもなる。

キャッシュバック100億円分は1月10日に残高に反映され、後日使われればトータルで600億円の消費が喚起される。

100億円のキャッシュの行方

キャンペーンで還元されたキャッシュバックは、翌月10日にPayPay残高にチャージされる(2018年12月度分は2019年1月10日以降)。

PayPayには現在出金機能はない。いずれ実装されるであろう。

しかし利用規約には「PayPayボーナスは金融機関口座へ出金することはできません」とある。

これは資金決済法の「前払式支払手段」の規制を受けるためだ。ゆえに払い戻しはできない。

Yahoo! JAPANカードや Yahoo!ウォレットの預金払い用口座からPayPay残高にチャージした金額はPayPayライトとして、PayPay残高の中でも区別される。

もし仮に出金が可能になってしまえば、キャンペーンで還元した100億円が、PayPay経済圏外である楽天やAmazonで使われたり、タンス預金になる可能性もある。それでは意味がない。
 
しかし、PayPay残高にキャッシュバックされた100億円のPayPayボーナスは、PayPay加盟店でしか使えない仕様になっている。つまり100億円は必ず消費に回るということだ。
 
そして、最終的に100億円のキャッシュはどこにいくかというと、ユーザのお財布ではなく、PayPay加盟店の銀行口座である。
 
したがって、ヘリコプターマネーのようなばら撒かれた100億円の現金を手にするには、PayPay加盟店になる必要がある。
 
加盟店を増やすためには、「キャッシュレス決済を導入しない理由がなくなること」が重要である。

小規模商店は、決済手数料が高い、端末を含めた初期導入費用が高いなどの理由で、カード決済の導入をためらってきた。

しかしPayPayの加盟店登録は実に簡単だ。アプリから登録でき、端末を用意する必要もない。2年間は決済手数料も無料。つまりノーリスクだ。(もちろん審査はある)
 
キャッシュレス化を促進するだけでなく経済を活性化するこの仕組み。
 
かつてモデムのばらまきで、日本のブロードバンド化を牽引してきた孫正義氏の戦略はしたたかだ。

インドのPaytm中国のAlipayとの提携から得られるノウハウを生かせるのが強みだ。


メルマガ皆さんは「ポイント還元率が高いから」「ポイントやキャッシュバックなどのキャンペーンが良かったので」「友人知人が使っているから」といった理由でカードを選ばれることが多いと思います。お得ばかりを追い求めてカードを作り続けるとたいていポイントが分散してしまいます。それは入口にフォーカスしているからです。

入口=どこで使うか、出口=カードになにを求めるか、決済金額=一年にどれくらい使うか。
この3つの要素が揃って、はじめて有効なクレジットカードを選ぶことができます。大事なことは最終的にクレジットカードに求めるものを明確にすることです。つまり出口を決めることから始まります。当サイトでは「出口から逆算して決済金額で最適化する」ことを提案します。

ポイ活しないで大量にポイントを貯める秘訣はメルマガで・・・

今週の人気記事TOP10

このエントリーをはてなブックマークに追加

Comments


専門家に聞いたここだけの話

  • 世界初のクレジットカード。その歴史を紐解く <クレジットカード温故知新>
  • キャッシュレス決済を推進するためにはユーザーのメリットより加盟店のメリットを考えるべき
  • Money20/20のPayment Raceから見えた世界のキャッシュレス決済の姿
  • 1回払いは手数料がかからないのにポイントがもらえるのはなぜ?

特徴・機能別クレジットカード