交通系電子マネーの中で主流なのが、SuicaとICOCAです。Suicaは首都圏を中心に、ICOCAは関西エリアで使われることが多いですが、エリア以外で違いはあるのか気になる方は多いのではないでしょうか。

とくに、関西から上京してきた人は「ICOCAを東京でも使い続けたほうがいいのだろうか…」と悩まれるかもしれません。

本記事では、ICOCAとSuicaの主な違いと共通点を詳しく比較し、どちらのカードがどのようなユーザーに適しているかを紹介します。「違いがそもそもよく分からない」という方にも分かりやすいように解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。

「ICOCA」と「Suica」の違いをそれぞれの特徴を元に解説

まずはICOCAとSuicaの違いについて、以下の表にまとめてみました。

Suica ICOCA
発行元 JR東日本 JR西日本
スマホでの利用 モバイルSuicaとして可能 モバイルICOCAとして可能
チャージできる場所 自動券売機
クレジットカード
店頭(NEWDAYS、セブンイレブンなど)
JRE POINT
スマホ(モバイルSuica) など
自動券売機
クレジットカード
店頭(セブンイレブン、ファミリーマートなど)
WESTERポイント
スマホ(モバイルICOCA) など
付与されるポイント JRE POINT WESTER ポイント
入金上限額 20,000円 20,000円
オートチャージ
※ビューカード限定・JR東日本エリア限定
×

SuicaはJR東日本、ICOCAはJR西日本が発行するICカードですが、「西日本エリアでSuica」「東日本エリアでICOCA」のように、相互利用が可能です。また、コンビニなど交通系電子マネーでの支払いが可能な店舗では、SuicaとICOCAのどちらでも支払いが可能となっています。

このように、ICOCAとSuicaには共通点があるものの、いくつか相違点があるので、それぞれの特徴を解説します。

ICOCAの特徴

ICOCAの特徴は、電車に乗車した回数に応じて、運賃に対して最大10%のWESTERポイントが付与されることです。対象となるのはICOCAエリアの範囲内の路線のみですが、電車賃を節約しながら乗車できます。


引用:ご利用可能エリア|JRおでかけネット

また、WESTERポイントを貯めるのであれば、スマホでICOCAを利用できる「モバイルICOCA」も活用しましょう。

モバイルICOCAにJ-WESTカードを登録すると、チャージでも定期券購入でも最大3倍のWESTERポイント(基本)を貯められます。

還元率はカードによって異なり、J-WESTゴールドカードで最大3%(税込1,000円につき30ポイント)、それ以外のJ-WESTカードで最大1.5%(税込1,000円につき15ポイント)還元です。

Suicaにも同様のポイント制度はあるものの、関西エリアでICOCAを利用するほうが高い還元率で利用できます。関西エリアにお住まいの方は、J-WESTゴールドカードと連携させてモバイルICOCAで電車を利用するのがおすすめです。

ICOCAアプリ

ICOCAアプリ
開発元:West Japan Railway Company
無料
posted withアプリーチ

Suicaの特徴

Suicaの特徴は、ビューカードと連携すればオートチャージができることです。指定した金額を下回ったときに自動でチャージしてくれるので、改札を通るときに残金が不足しているという心配をする必要がありません。ただしオートチャージが利用できるのはJR東日本エリアのみです。

Suicaにもカードタイプとスマホアプリの「モバイルSuica」があります。モバイルSuica を導入したスマホであれば、端末をかざすだけで買い物や公共交通機関を利用できます。

SuicaにもICOCA同様に乗車に応じてポイントが貯められます。JR東日本の鉄道に乗車すると、運賃に対して最大2.0%のJREポイントが付与されます。還元率はSuicaの形式によって異なり、モバイルSuicaのほうが効率よく貯められます。

形式 還元率
モバイルSuica 2.0%
(税込50円ごとに1ポイント)
カード式 0.5%
(税込200円ごとに1ポイント)

ただし、SuicaによってJRE POINTが付与されるためには、JRE POINT WEBサイトに登録することが条件となります。登録しない限りはどれだけ利用してもポイントが付与されないので、忘れないようにしてください。

なお、Suicaカードを購入できるのはJR東日本エリアに限定されるため、関西圏の方がSuicaを利用したい場合は、必然的にモバイルSuicaになります。

Suica

Suica
開発元:East Japan Railway Company
無料
posted withアプリーチ

「ICOCA」と「Suica」の共通点

ICOCAとSuicaは発行元が大きく異なるものの、同じ交通系電子マネーということもあり共通点が数多くあります。主な共通点は、以下のとおりです。

  • 買い物や公共交通機関の乗車に使える
  • 貯まったポイントを再チャージできる

順番に見ていきましょう。

買い物や公共交通機関の乗車に使える

ICOCAとSuicaはいずれも、買い物および公共交通機関に乗車する際に使うことができます。ICOCAは関西、Suicaは東日本(関東)が中心とイメージされている方は多いですが、実はいずれも全国で利用できます。

実際にICOCA・Suicaとも、以下のエリアで相互利用が認められているからです。

  • Kitacaエリア(北海道)
  • PASMOエリア(関東)
  • manacaエリア(名古屋)
  • PiTaPaエリア(関西)
  • はやかけんエリア(福岡)
  • nimocaエリア(九州)
  • SUGOCAエリア(九州)

買い物においても数多くの店舗がICOCAやSuicaに対応しているので、スマートに支払いを済ませられます。コンビニやレストラン、家電量販店などが加盟しているので、お住まいの近くの店舗で利用できないか探してみてください。

貯まったポイントを再チャージできる

先述のとおり、ICOCAではWESTERポイントが、SuicaではJRE POINTが貯められ、貯めたポイントはいずれも再チャージが可能です。チャージはスマホから操作できるので、ポイントを確認して思い立ったらすぐに交換できます。

ポイントをチャージすれば買い物や公共交通機関をお得に利用できるので、積極的に利用したいところです。WESTERポイント・JRE POINTとも有効期限が定められているので、失効する前に使い切るようにしましょう。

有効期限
WESTERポイント 基本:獲得年度の翌年3月末
チャージ専用:25ヶ月以上チャージまたはポイントチャージがない場合に解除
JRE POINT 最後にポイントを獲得および利用した日から2年後の月末まで

ICOCAとSuicaに向いている人をそれぞれ解説

ICOCAとSuicaはほぼ同様の機能を備えており共通点もあるので、どちらのカードを使用しても大差ないと感じる方もいるかもしれません。しかし、上手に使い分ければ便利かつお得になる可能性があります。

以下では、ICOCAとSuicaそれぞれを推奨するユーザーの特徴に焦点を当てて説明します。どちらのカードを選ぶべきか悩んでいる方は、この情報をもとに自分に合った選択をしていただければと思います。

ICOCAがおすすめな人

関西エリアに住んでおり、かつ電車を利用する機会が多い場合はICOCAに軍配が上がります。Suicaに比べると、ポイント還元率が高いことが特徴です。

Suicaのポイント還元率は最大2.0%であるのに対し、ICOCAでは最大10.0%のポイントが付与されます。

ポイント付与の対象となるのは関西の一部路線という制限はあるものの、利用者であれば使わない手はありません。

Suicaがおすすめな人

上述のICOCAで恩恵を受けるのが難しい人は、Suicaを利用するのがおすすめです。ICOCAには搭載されていないオートチャージ機能(JR東日本エリアのみ)があるので、利便性の点ではSuicaに軍配が上がります。

ビューカードと連携するという条件はあるものの、オートチャージを利用できれば残高を不足する心配はありません。

また、SuicaでもJR東日本管轄の電車に乗車した場合に、JRE POINTが最大2.0%も還元されます。JR東日本管轄の範囲は非常に広く、関東はもちろん東北や信越も含まれるので、ICOCAよりも広い範囲でポイント還元を受けられる点も、大きなメリットです。

乗車ポイントの対象エリアの広さの観点では、Suicaのほうがおすすめできる電子マネーと言えます。

なお、ICOCAとSuica以外にも交通系電子マネーは数多くあり、管轄エリア内であれば両サービスよりもお得に利用できる場合があります。交通系電子マネーを導入する際はICOCAとSuicaに限らず、お住まいエリアの管轄サービスとともに比較してみてください。

Suicaチャージにおすすめのクレジットカード

ICOCAチャージにおすすめのクレジットカード

ICOCAとSuica の比較まとめ

ICOCAとSuicaは両者ともにメリット・デメリットがあるので、理解したうえで併用するといいでしょう。関西と関東の両エリアを頻繁に行き来する方にとっては、エリアに応じてこれらのカードを使い分けると非常に便利です。

最後に、SuicaとICOCAのメリット・デメリットをそれぞれ解説します。

ICOCA Suica
メリット ・WESTERポイントを貯められる
・ポイント還元率が高め
・オートチャージができる
・JRE POINTを貯められる
・ポイント対象エリアが広い
デメリット ・オートチャージができない
・ポイント対象エリアがやや狭い
・ポイントを貯めるにはJRE ・POINT WEBに登録する手間がある

なお、ICOCAやSuicaを使う際は、クレジットカードと連携しておくと一層お得に利用できます。おすすめのクレジットカードを以下にピックアップしましたので、これを機にカードの発行も検討してみてください。

ICOCA Suica
・J-WESTカード
・J-WESTゴールドカード
・エポスカード
・リクルートカード
・「ビュー・スイカ」カード
・ビューゴールドプラスカード
・ビックカメラSuicaカード
・リクルートカード

2017年8月10日 作成
2024年8月7日更新


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