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法人ETCカードの高速情報協同組合に直撃インタビュー

便利でお得な高速道路のETCカード。その利用率は90%に迫る勢いを見せています。個人なら割と手軽に作れるETCカードも、起業して間もない法人・個人事業主になると、審査が厳しく、すぐに取得できないのが実情です。そんな人たちにも手を差し伸べているのが「高速情報協同組合」(本社北九州市)です。協同組合とはどんな仕組なのか、倒産リスクの高い会社に、なぜ間口を広げているのか、北九州市にある本社を訪ねました。

<高速情報協同組合 理事 東哲郎氏>
(取材日:2015年7月 取材・構成:クレジットカードDB編集長 大澤日出男)

「法人ETCカード」は取得が困難

——まず『高速情報協同組合』の設立経緯を教えてください。

東 昭和41年、日本道路公団(現在NEXCO)が、最大30%の割引ができる「別納割引制度」を始めました。「別納プレート」と呼ばれたカードで、現金の代わりに料金所で提示するものでした。この割引制度を利用するには、月額利用料金の4ヶ月分の保証金を預ける必要がありました。しかし、中小企業では保証金の負担が大きく、誰もが割引制度を利用できませんでした。その後、協同組合での申込みが可能となり、組合が保証金を負担することで、組合員の利用ができるようになりました。当初は、運送業者が集まるトラック組合から始まり、平成2年ごろ、製造業、建設業など異業種の組合が参入し、当組合も平成5年に設立しました。

——同業の協同組合はどのぐらいあるのですか?

東 同じ業態の組合は、日本全国に200組合ほどあると思います。そのほとんどが大量利用の大口である、運送会社を中心とした組合です。長距離トラックなど、高速料金をよく使う優良企業の集まった協同組合がほとんどです。

——「高速情報協同組合」の特徴はなんでしょうか?

東 個人や小口利用の企業を対象に「ハイウェイカード」(最大13.8%割引)がありましたが、平成18年廃止。このあと、現在のETCシステムに移行しました。クレジットカードに付帯するETCカードは、個人名義だと比較的簡単に作れますが、法人になると審査が厳しく、特に、実績も信用もない起業したばかりの人たちは、「法人ETCカード」が持てません。私どもの組合は、そんな人たちを対象に「ETC専用カード」を発行しています。そういう組合は当組合だけといっていいでしょうね。

——倒産リスクも高いそうですね。

東 起業して5年以内に85%の会社が、廃業か、倒産をするからです。ETCカードの支払いができず、貸し倒れになるリスクも高いのです。そんな起業して4〜5年の実績も信用もない法人や個人事業主に、クレジットカード会社は簡単にETCカードを発行しません。

協同組合のモットーは「相互扶助」

——「高速情報協同組合」は、なぜ間口を広げたのですか?

東 加入希望者の話を聞く中で、「どこのカード会社もETCカードを発行してくれなくて困っている」。そんな起業した人が、大勢いることを知りましたが、そういう方々を助ける協同組合がほかになかったのです

——そもそも「協同組合」とは、どんな団体ですか?

東 協同組合とは、経済的に立場の弱い個人事業者などが、協同の出資により、お互いに助け合う団体です。一人では弱いけれど、みんなが寄り添えば大きな力になる、この「相互扶助」をモットーにしています。設立して間もない、これから頑張る会社を応援していこうというのが当組合です。九州は人情に厚いという土地柄なので、それも関係しているかもしれませんね。

——運送業以外に、どんな業種が多いですか?

東 建設、飲食、サービスなど、世の中にあるほぼすべての業種の方が申込まれてきます。個人事業主から従業員を抱える法人まで様々です。多いのは建設業で、大工さん、左官屋さんなど、「独立して頑張ってみよう」という方が、ここ数年増えています。またインターネット関連の仕事を始めた方も多くいらっしゃいますよ。

——申込みの動機は?

東 「現金での支払いに不便を感じた」「クレジット会社に発行してもらえなかった」「社長なのにETCカードを持っていないと会社の信用を疑われる」。こんな理由で申込まれる方が多いですね。私どもの組合に連絡が来るときは、いろいろな事情があってカードが作れない方が、結構な数、いらっしゃいます

——従業員分のカードを発行してもらえますか?

東 もちろん可能です。従業員に現金を渡すことも個人に建て替えてもらうこともなく、こういった手間が省けるので、従業員を抱える会社では、どうしてもETCカードが必要のようです。

——手続き方法を教えてください。

東 インターネットでも電話でも手続きができます。資料をご覧いただき、当組合のカードでよろしければ、必要書類にご記入後、ご返送いただきます。その他に、法人でしたら「登記簿」を、個人事業主であれば「確定申告のコピー」の提出をお願いしています。最短では10日ほどでETCカードが手に入ります。

リスクを乗り越えて安定経営

——設立が平成5年ですが、組合員は、どのように伸びていますか?

東 設立当初は、大量利用の運送会社など20社ほどでスタートしました。現在、1万社を超え、組合員数でいえば日本一の多さです。しかし、そのほとんどは高速料金が月額1〜2万円程度の小口利用者です。急激に組合員が伸び始めたのは、インターネットで申込みを受け付けるようになった6〜7年前からで、「金融機関がカードを作ってくれない」「10社に申込んだがすべて断られた。」という声を多く聞くようになりました。先ほどもお話ししましたが、そんな困っている人を助ける協同組合があってもいいのではないかと、間口を広げてから、組合員数が急激に伸びました

——組合員が増えると、その反面、倒産のリスクも高まるのでは?

東 確かに、組合員が増えれば、それなりの倒産件数も予測できました。組合員が倒産した場合、その負債は、すべて当組合が全額負担いたします。いまは恥ずかしくないオフィスを構えることができましたが、以前は2階建ての民家を借りて、そこを事務所にしていました。従業員も6〜7人(現在30人)で、先が見えるまでは経費をかけないように努めました。組合員に一番迷惑をかけることは、組合が倒産してしまうことですから……。いまは組合員数が1万人を超えたことで、組合員が倒産し、貸し倒れになっても全額負担をまかなえるだけの余力ができました。

——小倉駅から車で10分ほどの住宅地に本社がありますが、なぜ駅前の商業地にしなかったのですか?

東 ほとんどは電話とインターネットの対応なので郊外にオフィスを構えました。現在のオフィスは、以前タクシー会社が使っていた中古物件を購入したものです。後ろには「福岡・北九州都市高速道路」が走っていますが、特に高速道路が見える場所を選んだわけではありません。実は、去年、本社を引っ越したばかりなんですよ。

頑張る会社を応援するカード

——カードの種類を詳しく、ご説明ください。

東 当組合のカードは4種類ありますが、大きく分けると2種類です。NEXCOが発行する「ETCコーポレートカード」は、首都・阪神高速のみの通行料金が割引になるカードで、使用する車が決められています。通常の深夜割引や休日割引等はありますが、首都・阪神高速しか使わない人におすすめしています。こちらは審査基準がそれなりに高いものになっています。当組合が発行しているクレジット系の「法人ETCカード」は3種類あります。使用する車を問わず、レンタカーでもOKです。事務手数料の違いなどがありますが、一定基準をクリアすれば発行しますので、圧倒的に「法人ETCカード」をご利用する方が多いです。

——「必要経費」について教えてください。

東 「法人ETCカード」の場合、出資金が1万円(脱退時返金)。カード発行手数料540円(税込)、年会費540円(税込)、それと事務手数料として、その月の通行料金の5%(カードによって8%)をいただきます。1万円を使えば手数料500円がかかります。深夜割引、休日割引など、上手に使えば、現金で払うよりも安くなります。

——「保証金」が必要ですか?

東 審査によって、お願いする場合があります。「保証金」として一括でいただく場合と、「積立金(利用金額の10%)」の場合があります。もしも支払い滞った場合、保証金、または積立金から差し引かせていただいています。積立金は月額1万円を使ったら1,000円を積立ていただきます。まったく使わなければ0円です。組合をやめられるときに、全額お返しいたします。

——事務手数料が5%と8%がありますが、その違いはなんですか?

東 「セディナ」「セディナ2(ブラック)」「UC」の3カードがあり、「セディナ」は手数料8%。ETCを使えばポイントがたまりますが、組合員はポイントを目的としていませんので、マイレージを利用する人はそれほど多くありません。初めての方には、事務手数料5%の「セディナ2(ブラック)」「UC」の2カードをおすすめしています。このカードは口座振替日が毎月5日と8日の違いだけで、契約される方は圧倒的にこちらの2枚が多いですね。

——カードの切り替えをされる方もいらっしゃいますか?

東 通常は5%のカードで入り、業績が良くなって、高速道路をよく使うようになったら8%のカードに切り替える方もいらっしゃいます。さらに業績が良くなったら、銀行やクレジットカード会社の審査に通って、当組合を巣立つ企業もあります。もちろん、長くお付き合いをしていただく企業もあります。会社を起こしたばかりで、ETCカードが必要な方は、ぜひ一度、お問い合わせください。

——ありがとうございました。

(文中敬称略)

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