前の記事ではマイルの相続について調べました。

人間いつ死ぬかわかりません。どれだけ貯めても、死んでマイルが消えてなくなってしまっては意味がありません。

生きているうちに「自分が貯めたマイルを人に譲ることはできるのだろうか?」そんな疑問がわいてきました。

航空会社によって条件は異なりますが、マイルは他人に譲渡できます

マイルを家族だけでなく知人・友人にプレゼントしたいけど、どうすればいいのかわからない!という方は、以下を参考にしてみてください。

マイルが譲渡できれば、特典航空券に交換できるマイル数に到達することなく有効期限を迎えてしまいそう・・・そんなときにも使えます。

失効する前に知人や家族に譲って役立ててもらうこともできますね。

ANAマイルを人に譲れるサービス

まずANAからですが、ANAでは「家族や友人など異なる会員名義のマイルとご自分のマイルを合算して特典に交換することはできません」と公式にはっきりと表記されています。

しかし、実は、友人は無理ですが家族に限り譲渡できます。

譲渡は「ANAカードファミリーマイル」というサービスにWeb上から登録するだけで即日可能となります。

このANAカードファミリーマイルを活用すれば、生計を同一にし、かつ同居する配偶者および一親等以内の家族に譲渡できます。

譲渡できる登録人数は10名までです。

サービス登録料、譲渡手数料などは一切必要ありません。

個々で見ると特典航空券に手が届かない中途半端なマイル数でも、家族でまとめれば結構なマイル数になり、あっというまに特典と交換することができますので、家族旅行の時などに利用するといいでしょう。

ANAカードファミリーマイルへの登録はWEB上から行った場合は即日、申込書による登録の場合は2週間から4週間ほどかかるので、急いでいる方はWEB上からの登録をおすすめします。

ただ、このサービスはあくまで家族間のみに適用されるサービスなので、家族以外の人間にマイルを譲渡することはできません。

すなわちANAではマイル譲渡は家族間のみ可能ということになります。

JALのマイル譲渡サービスはふたつ!違いは?

JALでもANAと同じように譲渡サービスを展開しています。

「JALカード家族プログラム」と「JALファミリークラブ」という、ふたつのサービスが用意されています。

このふたつのサービスの違いは一体どういうものなのでしょうか?

まず「JALカード家族プログラム」は、自分の貯めたマイルを配偶者もしくは一親等以内の親族に譲渡できますが、友人などに譲渡することはできません。

登録費用や年会費は無料です。ANAファミリーマイルとほぼ同じ条件・制約ですね。

ちなみに「JALファミリークラブ」は海外赴任者向のサービスで、登録できるのは日本以外の国に赴任する予定のある会員のみとなっています。

海外赴任先の国に行く前に日本で登録しておくことも可能です。

年会費こそ無料ですが、更新料として入会後5年ごとに1家族につき1,000マイルが自動で引き落とされる決まりになっていますので注意してください(自動引落が不可の場合は、自動退会となります)。

なおJALファミリークラブには、JALカード家族プログラムと違ってさまざまなボーナスマイル特典が用意されています。

海外赴任先にフライトすれば、ボーナスマイルで5,000マイルが付与され、なおかつ入会後初回搭乗ボーナスマイル(海外での入会限定)1,000マイル、更新後初回搭乗ボーナスマイルで1,000マイルがプレゼントされます。

さらに、ファミリークラブに入会すると、本会員のみですが所有しているJALカードの年会費が割引されます。

普通カードなら無料、CLUB-Aカードなら7,560円(通常10,800円)、CLUB-Aゴールドなら14,040円(元は17,280円)、プラチナなら30,240円(元は33,480円)まで下がるので、結構お得ですね。

夏休み・春休みなどの時期に、JALファミリークラブ会員を対象に整備工場見学ツアーなども実施しています。

海外赴任の予定がある方は、JALファミリークラブへの登録も検討してみては。

  ANAカードファミリーマイル JAL家族カードプログラム JALファミリークラブ
登録料  
更新料 5年毎に1,000マイル自動引き落とし
最大参加人数 10人 10人 8人
合算期間 即日 即日 即日
譲渡対象者 日本在住のANAカード(クレジット機能付)会員及びその家族(ANAカード個人会員)で、
生計を同一にし、かつ同居する配偶者および一親等以内の家族
日本在住のJALカード(クレジット機能付)会員及びその家族(JALカード個人会員)で、
生計を同一にし、かつ同居する配偶者および一親等以内の家族
JALファミリークラブ本会員の配偶者、お子さまおよびその配偶者、ご両親、配偶者のご両親でJALファミリークラブに入会されたJMB会員(年齢は問いません)
年間最高譲渡数 上限無し 上限無し 上限無し
合算手数料
処理手数料
入会ボーナスマイル 1,000マイル(海外で入会した方のみ)
更新後初回搭乗ボーナスマイル 1,000マイル
赴任フライトボーナスマイル 日本からの赴任の際、日本発JAL国際線に対象運賃にて搭乗のうえ、JALマイレージバンクにフライトマイルを積算すると1名(本会員・家族会員)につき5,000マイルが加算
超過手荷物料金 一部免除サービス 通常の手荷物許容量に追加して、一人2個の手荷物無料

デルタ航空のマイル譲渡サービス

デルタ航空では、自分の持っているマイルを他人に譲渡したい場合「トランスファーマイル」というサービスを使って家族や友人の口座にマイルを移行することができます。

マイルを受け取る会員の会員番号と名前を入力すれば、すぐにマイルを譲渡できます(入会後、10 日以上たっていて、かつ最低 1 マイル獲得されている会員口座に限ります)。

トランスファーマイルは年間150,000 マイルまで移行できます。手続き一回につき30ドルの手数料がかかります。

トランスファーでは一回に3万マイル譲渡可能、なおマイルの払い戻しはできませんので人に移行するさいは注意してください。

  デルタ航空のトランスファーマイル
年間最高譲渡数 150,000 マイル
1 回の手続きで譲渡できるマイル数 1,000 マイル~最大 30,000 マイル
1 回の手続きでマイルを譲渡できる人数 4人
譲渡機関 即日
譲渡手数料 $0.01
処理手数料 1回の手続きにつき $30.00

また、デルタ航空にはマイルを人に贈答する「ギフトマイル」サービスもあります。

これは『マイルを新たにお金で購入して、それを人の口座に送る』というサービスであり、もし手持ちではなく、誰かにマイルを購入してでもプレゼントとしてマイルを送りたいという方がいるなら、こちらのギフトマイルが活用できます。

ギフトマイルの場合は6万マイルまで贈答可能です。

ギフトマイルは処理手数料はかかりませんが、譲渡手数料として1マイルにつき$0.035がかかります。

 

デルタ航空のギフトマイル

年間最高譲渡数 60,000マイル
1 回の手続きで譲渡できるマイル数 2,000マイル~最大60,000マイル
1 回の手続きでマイルを譲渡できる人数 4人
譲渡機関 即日
譲渡手数料 $0.035
処理手数料

なお1 回の手続きでマイルをプレゼントできる相手の人数は、トランスファーでもギフトでも 4 名までです。

ユナイテッド航空のマイル譲渡サービス

ユナイテッド航空のマイレージプラスでもマイルを他人に譲渡することができます。

デルタと同じ「トランスファーマイル」です。

公式サイトでマイルを受け取るマイル会員の会員番号と名前を入力するだけで譲渡できます。

ユナイテッド航空の場合、1年で15,000マイルまでマイルを譲渡でき、1マイルにつき0.015ドル(USD)がかかり、手続き一回につき35ドルの手数料がかかります。

手数料を考えると、マイルの状態で譲渡するよりも、マイレージ・プラスの特典(マイルではない)に交換してから譲渡したほうがいいでしょう。

マイレージ・プラスでは特典を友人や家族に譲渡することが可能となっていて、ホームページ上から友人や家族へプレゼントする特典旅行の予約と発券もできます。

  ユナイテッド航空のトランスファーマイル
年間最高譲渡数 100,000マイル
1個の口座に移行できる年間最大譲渡数 25,000マイル
1 回の手続きで譲渡できるマイル数 2,000マイル以上1,000マイル単位
1 回の手続きでマイルを譲渡できる人数 3人
譲渡機関 48時間以内
譲渡手数料 1,000マイル毎に$15
処理手数料 1回の手続きにつき $35

マイレージプラスのトランスファーマイルでは、譲渡は一年に一口座25,000マイルまでと決められています。

つまり、自分が50,000マイル持っている場合、一人相手にそれを丸ごと譲渡することはできません。

aさんに25,000マイル、bさんに25,000マイルというわけ方なら譲渡することができます。

外資系航空会社のマイル譲渡は手数料が高い!

JALとANAは家族間であれば会員がお金を負担することなくマイルを合算できるのでなんの問題もないのですが、ユナイテッドとデルタでは手数料が割高であり、譲渡するマイル数によっては手数料だけでもかなりの額になってしまうのが難点です。

たとえば15,000マイルを譲渡する場合……

●デルタ航空トランスファーマイルだと
0.01×10.000+30=130ドル
●デルタ航空ギフトマイルだと
0.035×10.000=350ドル
●ユナイテッド航空トランスファーマイルだと
15×15+35=260ドル

15,000マイルを譲渡するだけでもこれだけの手数料を負担することになります。

一万円以上も手数料を払うとなると、正直マイルを譲渡するよりも、そのマイルがもし特典航空券交換数に達しているなら、航空券に交換してから人に譲ったほうがいいでしょう。

幸いデルタ航空とユナイテッド航空では、特典航空券を購入する際、会員本人以外の搭乗者名で発券することができます。手数料もありません。

家族以外の赤の他人にも譲れますし、会員との関係を証明するような書類を提出するといった確認もなく簡単にできます。

特典航空券の譲渡以外だと、格安航空券を購入する方法などもあります。

たとえば、両親がユナイテッドのマイルを貯めており、息子のマイレージ口座にそれを合算して特典航空券を取り旅行に行かせてあげたいというケースがあるとします。しかし、トランスファーマイルを利用して15,000マイル譲渡した場合、手数料は3万円近くなります。

そこまで手数料がかかるなら、搭乗区間によっては格安航空券を購入した方が安いかもしれません。

最近の格安航空券は、ヨーロッパ行きでも2万円代(燃油代別途)で購入することができたりしますので、わざわざ高い手数料を払ってマイルを譲る以外にも、格安航空券を購入することも一考です。

※ユナイテッド航空のMileagePlusは2019年8月にマイルの有効期限を撤廃しています。

2016年12月12日 作成
2021年7月24日更新


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