マイナポイントから始めるポイント投資

老後2000万円問題が持ち上がって以降、「貯蓄から投資へ」と投資への意識が高まってきています。とはいっても「投資はよく分からない」「お金が減るのが怖い」「投資するまとまったお金がない」と投資を始められていない人も多いのではないでしょうか。

そんななか、ポイントで投資を始められるポイント投資が注目を集めています。ポイントを使って株や投資信託に投資ができる「ポイント投資」なら、現金が減ることもなく、スマホから気軽に始められます。

ポイント投資を始めるには絶好の機会が到来

ポイントの使い道に困っている、ポイントの有効期限が迫っている人にとってもポイント投資は人気で、ポイントが本物の金融資産になるので、有効期限を気にしなくて済みます。

また、退職金などのまとまったお金を手にして、初めての投資でいきなり大きな金額を動かすのは、それこそ「怖く」精神的な負担も大きいでしょう。少しずつ投資に触れて、投資の知識を身につけるのにポイント投資は最適です。

そして今まさに行われている「マイナポイント事業」では、いつもの買い物、チャージなど2万円分の利用で、その25%ので5000ポイントがもらえます。ポイント投資を始めるには絶好の機会と言えます。マイナポイント事業は2021年3月31日までですので、まだまだ間に合います。

ここでは、ポイント投資できるマイナポイントは?ポイントで何に投資できるの?いくらから投資できるの?手数料はかかるの?などポイント投資を始める前に知っておきたいことをわかりやすく解説します。

株や投資信託などに現金と同じように投資する「ポイント投資」を前提にしています。ポイントをポイントとして運用する「ポイント運用」との違いはこちらを参考にしてください。

ポイント投資できるキャッシュレス決済事業者は?

マイナポイントはどのキャッシュレス決済を選んでももらえるわけではありません。

選択したキャッシュレス決済によって、マイナポイントとしてもらえるポイントが違います。日頃から使っているキャッシュレス決済を選択するのが、最大のマイナポイントをもらいやすく一番のおすすめです。使っているキャッシュレス決済がマイナポイントの対象でなければ、普段から貯めているポイントがもらえるキャッシュレス決済を選択するのが良いでしょう。

ポイント投資ができるメジャーなポイントは、次の5つです。

  1. 楽天ポイント
  2. LINEポイント
  3. dポイント
  4. Tポイント
  5. Pontaポイント

そのうち、マイナポイントとしてもらえるポイントは、「楽天ポイント」「LINEポイント」「dポイント」です。

マイナポイントとしてもらえる「楽天ポイント」でポイント投資

ポイント名 キャッシュレス決済 証券会社
楽天ポイント 楽天ペイ(QRコード)
楽天カード(クレジットカード)
楽天証券

ポイント投資ができるのは、通常ポイントのみで、期間限定ポイントは投資には使えません。マイナポイントでもらえる楽天ポイントは通常ポイントです。

同じ楽天のキャッシュレス決済ではありますが、楽天EdyでもらえるマイナポイントはEdyです。Edyはポイント投資には使えません。

マイナポイントとしてもらえる「LINEポイント」でポイント投資

ポイント名 キャッシュレス決済 証券会社
LINEポイント LINE Pay(QRコード) LINE証券

LINEポイントでポイント投資できるのは「LINE証券」。「LINEスマート投資」という別の投資サービスもありますが、ポイントでは投資できません。

マイナポイントとしてもらえる「dポイント」でポイント投資

ポイント名 キャッシュレス決済 証券会社
dポイント d払い(QRコード)
dカード(クレジットカード)
日興フロッギー

マイナポイントとしてもらえるdポイントは「通常のdポイント」です。dポイントにはキャンペーン等でもらえる「期間・用途限定のdポイント」もありますが、どちらも投資できます。

証券会社に口座を開けば、マイナポイントとしてもらったそれぞれのポイントをそのまま投資できます。

証券会社に口座を開くのは、どの証券会社も本人確認書類(運転免許証やマイナンバーカードなど)や顔写真などをスマホで撮影して送るだけなので面倒な手続きは何もありません。

これらのポイントの他に、ポイントを交換すればポイント投資できるものがいくつかあります。

まずはdポイントですが、d払い・dカードの他にも、dポイントに交換することができるポイントがもらえるキャッシュレス決済があります。

dポイントに交換することができるポイント

ポイント名 キャッシュレス決済 証券会社
エポスポイント エポスカード(クレジットカード) 日興フロッギー
Vポイント 三井住友カード(クレジットカード)
Vポイント SMBCデビット(デビットカード)
ワールドプレゼント 銀行系のクレジットカード

※各ポイント→dポイントへ交換

Tポイントに交換することができるポイント

Tポイント・Pontaポイントがマイナポイントとしてもらえるキャッシュレス決済はありません。ですが、dポイントと同じようにTポイント・Pontaポイントに交換できるマイナポイントがあります。

オリコポイントは同じ価値でTポイントに交換できます。

Tポイントは、おなじSBIグループですが、ネオモバ(SBIネオモバイル証券)とSBI証券の2つの証券会社で、それぞれ株と投資信託にポイントで投資できます。

ポイント名 キャッシュレス決済 証券会社
Tポイント オリコカード(クレジットカード) ネオモバ 国内株式
SBI証券 投資信託

※オリコポイント→Tポイントへ交換

Pontaポイントに交換することができるポイント

ポイント名 キャッシュレス決済 証券会社
エポスポイント エポスカード(クレジットカード) StockPoint for CONNECT経由でCONNECT(大和証券グループ)
Vポイント 三井住友カード(クレジットカード)
Vポイント SMBCデビット(デビットカード)
ワールドプレゼント 銀行系のクレジットカード

※各ポイント→Pontaポイント
※au契約者のみPontaポイントに交換可
StockPoint for CONNECT経由でCONNECT(大和証券グループ)

Pontaポイントは、少しややこしいです。まずそれぞれのポイントから同じ価値でPontaポイントに交換できるのはauの携帯電話を契約している人だけです。

更に交換したPontaポイントをStockPoint for CONNECT(ストックポイントフォー コネクト)というポイント運用(ポイント投資ではなく)するサイトを経由して、ポイントが1株分に達したら、大和証券グループのCONNECT(コネクト)に本物の株として移せます。

他のポイント投資と比べると少し面倒な感じがしますが、スムーズに連携しているので、実際にやってみるとそれほどの手間ではありません。

Pontaポイントをマイナポイントとしてもらえるキャッシュレス決済がないので、Pontaポイントを積極的に集めているau利用者にはおすすめです。

ポイント投資で投資できるのは株?投資信託?

株は基本的には100株単位で売買されています。これを単元株(たんげんかぶ)といいます。その企業の株の価格(株価)が500円であれば、50,000円が売買できるひと単位です。これではポイントだけで買うのはちょっと厳しいです。

100株ずつの単元株に対して、1株から売買できる証券会社もあります。1株なので株価が500円の企業の株は500ポイントで買うことができます。これは単元未満株(たんげんみまんかぶ)と呼ばれ、証券会社によって「S株」「いちかぶ」「ひな株」などさまざまな呼び方をされています。

ここで紹介しているポイント投資ができる証券会社には、単元株でしか売買できない証券会社と単元株、単元未満株のどちらでも売買できる証券会社、さらには株数に関係なく100円分(100ポイント分)の株を買うといった具合に金額を指定して買える証券会社もあります。

また、あるポイントでは株には投資できるけれども投資信託には投資できなかったり、投資できる株や投資信託の銘柄数が大きく違ったりします。自分がもらえるマイナポイントや貯めているポイントが、何に投資できるかを知っておきましょう。

楽天ポイント(楽天証券) 取扱銘柄 取引単位
国内株式 3,500銘柄以上 単元株(100株)
投資信託 2,694銘柄 100円から1円単位

楽天証券では、株の売買は単元株(100株)のみですが、株、投資信託ともにたくさんの銘柄に同じ証券会社でポイント投資できるのは楽天ポイントだけです。

現金と組み合わせれば1ポイントからポイントが使えますし、たくさんポイントがあれば、もちろんポイントだけでも投資できます。

LINEポイント(LINE証券) 取扱銘柄 取引単位
国内株式 1,050銘柄以上(10/5~) 単元未満株(1株)
単元株(100株)
投資信託 28銘柄 100円から1円単位

2020年10月5日から国内株式の取り扱いが大幅に増えました。
株は1株から買えるので少ないポイントでも投資できます。全額ポイントでも、現金と組み合わせて1ポイントから投資できます。

dポイント(日興フロッギー) 取扱銘柄 取引単位
国内株式 3,700銘柄以上 100ポイント単位
投資信託 取り扱いなし

dポイントでは、単元株、単元未満株に関係なく100ポイントから100ポイント単位で株に投資ができます。現金と組み合わせての投資はできないので、それぞれ別々に投資する必要があります。

Tポイント(ネオモバ) 取扱銘柄 取引単位
国内株式 ほぼ全銘柄 単元未満株(1株)
単元株(100株)

ネオモバでは国内株式のほぼすべての銘柄に単元未満株の1株から投資できます。

ネオモバで扱っている株の中には株価が100円以下の株も多数あり、数ポイント、数十ポイントで1株が買える銘柄もあります。

全額ポイントでも、現金と組み合わせて1ポイントからでもポイントが使えます。

Tポイント(SBI証券) 取扱銘柄 取引単位
投資信託 約2,600銘柄 100円から1円単位

SBI証券ではTポイントで投資信託に投資できます。Tポイントが使えるのは「金額指定」のみで、「口数指定」「積立」には使えません。「金額指定」であれば、全額ポイントでも、現金と組み合わせて1ポイントからでも投資できます。

Pontaポイント(StockPoint for CONNECT→CONNECT) 取扱銘柄 取引単位
国内株式 100銘柄以上 1ポイントから
投資信託 取り扱いなし

Pontaポイントは、StockPoint for CONNECTで1ポイントから投資できます。そこで1株分にポイントが達したら、本物の株に交換できます。2つのサービスをまたいでのポイント投資ですが、最も少額の1ポイントから投資を始められます。

ここで見ましたように、投資信託に投資できるポイントは、100円から1円単位(100ポイントから1ポイント単位)で投資できますし、株は、楽天ポイント以外なら、少ないポイントでもポイントだけで投資が始められます。

ポイント投資に手数料はかかる?

ここで紹介している証券会社での投資信託の売買手数料は無料です。

株の売買の手数料も、数十万ポイント(もしくは数十万円)くらいまでの投資であれば無料、かかっても少額です。

各証券会社によって、色々と条件が違うので一概に比較はできないのですが、1,000円(1,000ポイント)と10万円(10万ポイント)で株に投資したときの手数料をざっくりとまとめました。

1000円(1,000ポイント)投資したときの手数料 10万円(10万ポイント)投資したときの手数料
楽天ポイント 楽天証券 0円(単元株) 0円(単元株)
LINEポイント LINE証券 2円(単元未満株) 0円(単元株)売却時手数料あり
dポイント 日興フロッギー 0円(売却時0.5%) 0円(売却時0.5%)
Tポイント ネオモバ 月額220円(ネオモバ利用料) 月額220円(ネオモバ利用料)
Pontaポイント StockPoint for CONNECT→CONNECT 0円 0円

楽天ポイント 楽天証券

単元株 いちにち定額コース 50万円まで無料
    50万円以上は超割コースがお得

LINEポイント LINE証券

単元未満株 株の銘柄、売買する時間帯によって0.2%、0.3%、0.4%、1%購入金額に上乗せ

単元株 買付手数料 無料 
    売却手数料 5万円  99円 
          10万円 176円
          20万円 198円
          50万円 484円
         100万円 869円、、、

dポイント 日興フロッギー

購入時手数料は、100万円以内の取引までなら無料(ただし、売却時手数料は0.5%)
100万円超の取引の手数料はやや割高で購入金額の1%

Tポイント ネオモバ

月額利用料220円(税込)
手数料は、月50万円以内の売買なら月々の利用料のみ
毎月、期間固定Tポイントが200ポイントもらえる

Pontaポイント StockPoint for CONNECT→CONNECT

StockPoint for CONNECT 「チャージする」「運用する」「株式にする」すべて手数料無料。つまり、Pontaポイントを株にするのに手数料は一切かかりません。ポイントを株式に交換するとCONNECTに移されます。

《参考》CONNECTでの株の売買の手数料
CONNECT 単元未満株  0.5%購入金額に上乗せ
      単元株 毎月10回、取引手数料が無料 約定代金合計額の上限なし
11回目からは売買代金にかかわらず一律売買代金の0.033%の手数料 手数料上限660円(税込)

Tポイントで投資するネオモバは、月々の利用料220円(税込)がかかりますが、毎月投資に使える200ポイントが返ってくるので、コンスタントに投資していければ、利用料が大きな負担にはならないでしょう。

ここで紹介したポイント投資ができる証券会社では、数十万円くらいまでの投資なら、あまり手数料を気にしなくても良さそうです。

今まさにポイント投資の始め時

数百ポイントとスマホさえあれば、すぐにでもポイント投資が始められます。証券口座を開くのにお金はかかりません(ネオモバのみ月額利用料あり)し、株や投資信託を買う手数料も少額の投資であれば、ほぼ0円です。

各キャッシュレス決済やポイントサービスでポイント還元のキャンペーンが頻繁に行われ、ポイントが貯まりやすくなっています。さらに5000ポイントのマイナポイントがもらえる今、ポイント投資を始める準備は整っています。

「貯蓄から投資へ」のスタートを切る絶好の機会と言えるでしょう。

2020年10月20日 作成
2024年3月20日更新


メルマガ皆さんは「ポイント還元率が高いから」「ポイントやキャッシュバックなどのキャンペーンが良かったので」「友人知人が使っているから」といった理由でカードを選ばれることが多いと思います。お得ばかりを追い求めてカードを作り続けるとたいていポイントが分散してしまいます。それは入口にフォーカスしているからです。

入口=どこで使うか、出口=カードになにを求めるか、決済金額=一年にどれくらい使うか。
この3つの要素が揃って、はじめて有効なクレジットカードを選ぶことができます。大事なことは最終的にクレジットカードに求めるものを明確にすることです。つまり出口を決めることから始まります。当サイトでは「出口から逆算して決済金額で最適化する」ことを提案します。

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