飛行機はもっともスピーディで効率的な移動手段の1つ。海外旅行ではほぼ「必須」の交通手段です。

実際にプライベートのみならず、仕事でよく利用されている方も多いことでしょう。

しかし早くて便利な反面、欠点はあります。そのひとつが「遅延」です。

国内外問わず、飛行機をよく利用される方は、利用頻度が高い分、遅延(場合によっては欠航!)に見舞われる可能性が増えます。

そこで今回は、絶対に知っておくべき「航空機の遅延補償」について解説。ANAやJAL、LCCの補償対応の違いを説明致します。

飛行機の遅延トラブル、他人事だと思っていませんか?

悪天候や航空機トラブルで、飛行機の発着が大幅に遅れることは珍しくありません。

旅行はもちろん、出張で航空機を使う場合などは本当に困ってしまいます。

飛行機の発着が大幅に遅れたときに、どうすればいいのかわからず混乱してしまい、途方にくれる人も多く見られます。

中には「いつ動くんだ!」などとスタッフに詰め寄る方の姿が見られる場合もありますが、そんなことで問題は解決しません。

単なる時間と体力の無駄遣いです。

現実問題としては「振り替えの便はあるの?」「宿泊先はどうしよう?」など、疑問は尽きないことでしょう。

飛行機を利用する人は、航空会社の「遅延補償」についてはもちろんのこと、クレジットカードに付帯する「補償サービス」についても知っておきましょう。

ANAの航空機が遅延したときANAは何をしてくれる?

それでははじめに、航空会社の「遅延補償」について確認しましょう。

まずは ANAの場合ですが、チケットの払い戻しや変更は「無料」となっています。

悪天候や自然災害などANA側以外の理由で運航に影響が出た場合、可能な範囲で宿泊施設などの手配のお手伝いはしてもらえますが、宿泊費等は自己負担となります。

仮に機材トラブルによる遅延が発生した場合は、交通費・宿泊費が支払われるため安心です。

ただし、予約便出発予定日から「10日以内の精算」が必要となります。ちなみに精算には領収書の提示が必要です。

「領収書のコピー」ではダメなので、きちんと原本を提出してください。

また、ANAの航空機が遅延したときに「食事券」が配布されることもあるようですが、知らずにもらいそびれてしまう人もいるようです。

ANA航空機の遅延時には、空港スタッフに尋ねると良いでしょう。

加えて、航空機の到着が遅れて、空港から家に帰る終電がなくなってしまった場合はどうでしょうか? 定期公共交通機関が利用できない場合には、タクシーなどを利用せざるを得ないかと思います。

その代金(交通費)についても「上限額15,000円」まで支払われるので安心です。

すでに触れましたが、補償を受けるためには「諸費用分の領収書」が必要不可欠です。

ただしコピーしたものは不可で、なおかつ「郵送された領収書などは返却不可」という点にもご注意ください。

さらには「搭乗券」など、振り替え便などの搭乗を確認できるものも忘れずにご用意ください。

変更/払い戻し | ご予約/旅の計画 | 航空券予約・空席照会 | ANA

JALの航空機が遅延したときJALは何をしてくれる?

次に、JALの遅延補償ですが「払い戻し」もしくは「予約変更振り替え」のいずれかで対応してくれます。

チケットの払い戻しや変更は無料ですが、シチュエーションに応じて補償内容が変わることにご注意ください。

まず「JAL側以外の理由で運航に影響が出た場合」についてです。

具体的には、悪天候・自然災害で運航に影響が出た場合、変更によって宿泊費や交通費などが生じても、JAL側は支払ってくれません。

一方「JAL側の都合で運航に影響が出た場合」についてです。

具体的には、機材トラブルなどによって運航に影響が出た場合、JALが定める範囲での範囲で、宿泊費や交通費などの諸費用の補償が受けられます。

ただし「予約便出発予定日から10日以内」の精算が必要です。

さらに、精算には領収書(*コピー不可)の提示が必要となりますが、これはANAと同じですね。

悪天候・自然災害などにより運航に影響が見込まれる際の変更手続き(予約変更・取り消し・払い戻し) – JAL国内線
お客さま都合以外の事由による予約便変更・航空券払い戻しについて(ご予約後の確認・変更) – JAL国際線

LCC(格安航空会社)の補償は?

ANA、JALなどの大手航空会社であれば、トラブル時にある程度の補償はしてくれるだろう、と予測できるはずです。

しかし、格安航空会社(LCC)の補償については、よく知らない方も多いのではないでしょうか。

結論から申しますと、遅延時の補償は期待できません。

以下、LCC各社の補償について確認してみましょう。

航空会社名 遅延時の対応
ピーチ チケットの変更・払い戻しのみ対応
スカイマーク チケットの変更・払い戻し対応 遅延が往路便の場合、復路便や乗継便も変更可能
バニラエア チケットの変更・払い戻し対応 スルーチェックイン対象便の場合、後続便の変更が可能(払戻は不可) 
ジェットスター チケットの変更・払い戻し対応。*運賃タイプによっては機材トラブルの場合、宿泊費と交通費の補償あり
春秋航空日本(SPRING JAPAN) チケットの変更・払い戻し対応
エアアジア

※なおスカイマークは「LCCではない」とスカイマーク側が表明していますが、LCC並みに航空券が安価であるため、スカイマークはLCCの比較対象に入れさせていただきました。

上記では唯一「ジェットスター」についてのみ、補償制度が設けられています。

次でくわしくご紹介しますが、ジェットスターの補償制度はノーマルの運賃プランに含まれているわけではありません。

このように、LCCは基本的に格安であるため、補償はつかないのです。

したがって遅延などのトラブルに見舞われても、各自で対応するしかありません。

これは余談ですが「スカイマーク利用時の遅延で、お詫び状と共に現金1,000円を貰った」などという話もあります。

ただし、状況によって対応が変わるようで、お詫び状や現金が貰えるかについては「不明瞭」と言えるでしょう。
(はじめから補償はないものと考えておいたほうが賢いです)

LCCの中で「ジェットスター」だけは機材トラブル時の補償が充実している。

ジェットスターは、遅延や欠航時の見舞金に対応しています。

ただし「Starter Plus」「Starter Max」などの運賃タイプで予約した場合のみ、補償を受けることができます。

「Starter Plus」とは通常チケットに「追加料金1,450円~」を払い、荷物の重量などを増やせるオプションです。

また「Starter Max」は通常チケットに「追加料金4,000円~」を払い、荷物の重量などを増やせるオプションです。

ノーマルなプランではなく、これらに申し込むことにより遅延補償を付帯できます。

具体的な補償内容としては、定額の「見舞金」が支払われることになります。

「Starter Plus」は10,000円、「Starter Max」は20,000円の見舞金が補償されます。

ただし、チケットの払い戻しをした場合には、見舞金が支払われないのでご注意ください。

なお、見舞金の申請には「ジェットスターが定める見舞金請求書」をFax、郵送、Eメールのいずれかで提出することが必要です。

申請は規定の期間内におこなう必要があるため、遅れないようにしてください。

JAL、ANA、LCC共通!悪天候での遅延に対する補償はほとんどない!

「機材トラブル」は、航空会社のミスと考えられるのが一般的です。

そのため「見舞金」などの形で補償が用意されているわけですね。

一方「悪天候」などは不可抗力な事態と考えられるため、チケットの変更や払い戻しができたとしても、追加の宿泊費・交通費を航空会社が負担してくれることは期待できません。

つまり「トラブルが起きても航空会社が絶対に補償してくれる」と信じきっているのは、少々危険と言えます。

航空会社の補償は完全ではなく、利用者個々人で対応しなければならないケースがあります。

大手航空会社のサービスは確かに行き届いていますが、だからといって「条件を満たさない時」には補償はされません。

だからこそ、航空会社では補償の対象とならない「悪天候」でも補償してくれる「保険の付帯したクレジットカード」を持っておくことが安心につながるのです。

海外の主要航空会社では、遅延時の補償はどこまで?

最後に「海外航空会社の遅延時の対応」について確認しましょう。

各航空会社によって、もちろん補償や対応は異なります。

しかし「遅延の場合のチケット払い戻しなどには対応してくれる」一方で「悪天候が原因の遅延についてはどこの航空会社も補償なし」というケースがほとんどです。

つまり、国内の主要航空会社と同じということになります。

具体的な例として「デルタ航空」の遅延時の対応を見てみましょう。

仮に遅延が起きると「チケット払い戻し」ほか該当する場合は「デルタの航空券を購入できるバウチャー(クーポン券)との交換」「宿泊先の提供」「お食事券」などを受けることができます。

なお、バウチャー(クーポン券)は他の航空会社では使えません。

また「ユナイテッド航空」では、遅延時にユナイテッドアプリまたは空港のキオスクを通じて「フライトの変更」ができます。もちろん「払い戻し」もOKです。

航空側の機械的なトラブルなどが原因の遅延について、宿泊先が必要なケースでは近隣のホテルを手配してくれます。

ユナイテッド航空側が手配できなかった場合は、客自身で確保した「1泊分の宿泊料金」(ホテル、地上交通、食事代含む) を還付することになっています。

なお、その際はユナイテッド航空の空港係員から認可書をもらう必要があり、金額の上限はその時々によりますので、ユナイテッド航空に確認してみましょう。

飛行機の遅延に備えて持つべきカードは次の記事で

2017年11月10日 作成
2024年1月5日更新


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