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コンビニ系クレジットカードの中で最もお得なカードの一つ「ファミマTカード」。ファミリーマートでの高いポイント還元や割引が厚い支持を得ているほか、共通ポイント「Tポイント」を貯めるうえでの最強のカードとしても定評があります。ファミマTカードを発行するポケットカードの担当者に直撃インタビューを行いました。

<ポケットカード株式会社 ファミマTカード推進室 坂牧良紀氏 >
(取材日:2013年2月 取材・構成:クレジットカードDB編集長 大澤日出男)

Tポイントとの最強コンビ誕生の背景

–「ファミマTカード」は、Tポイントが貯まりやすいカードとして高い人気を誇っています。カードが生まれた経緯を教えてください。

坂牧 「ファミマTカードは、もともと『ユピカード』という名称で2002年にスタートしたのが原点です。ユピカードは、伊藤忠商事、JCB、ファミリーマートの3社の取り組みで発行しました。ファミリーマートのハウスカードという位置づけでしたが、カードに『ファミリーマート』という名称は一切入っていませんでした。そのためか、なかなかお客様の認知度が上がらず、2004年にユピカードを『ファミマカード』という名称に変更し、デザインも緑色のカードにリニューアルしました。

そのファミマカードでは、ファミリーマートの独自のポイントである『ファミマポイント』を付与する仕組みになっていました。しかし、当時の傾向として、『ポイントを特定の店舗だけではなく広範囲に使いたい』というお客様のご要望が非常に強いということがわかりました。そこで、2007年に、Tポイントを展開するカルチュア・コンビニエンス・クラブさんと提携し、現在の『ファミマTカード』にリニューアルしました

–「Tポイント」を提携先として選んだのはなぜですか?

坂牧 「共通ポイントとして、Tポイントがナンバーワンだったというのが一番大きな理由だったと聞いております」

–「ファミマポイント」を廃止して、「Tポイント」を付与することにしたのですね。

坂牧 「はい。ファミマポイントというのは、ファミリーマートの中だけで貯まり、使えるポイントでした。しかし、TポイントならTSUTAYAさん、ENEOSさんなどの広範囲なアライアンスでポイントを相互に利用することができます。それによって、ファミリーマートとその他のTポイント提携先の間で相互送客ができるようになりました。つまり、TSUTAYAさんなどTポイント提携先のお客様にファミリーマートへ来ていただく、同様にファミリーマートからもTポイント提携先に送客をする。そういった関係を築くことができました」

Tポイント52,000店の強み

— カルチュア・コンビニエンス・クラブさんと提携したときに「ファミマTカード」という名称に変わったのですね。

坂牧 「はい。カルチュア・コンビニエンス・クラブさんとの提携が始まったときに『ファミマTカード』という名称に変更し、デザインもファミマカードデザインにTマークを追加しました」

–現在、コンビニ各社は、ローソンの「Ponta」やセブンイレブンの「nanacoポイント」など共通ポイントを発行するケースが増えています。その中で、Tポイントにこだわる理由は何ですか?

坂牧 「やはり一番大きいのは、Tポイント提携先からの相互送客のメリットです。仮に、ファミリーマート独自のポイントシステムだけですと、ファミリーマートの中だけの流通に限られてしまいます。

現在、ファミリーマートの店舗は日本全国で約9,500店ありますが、それに対してTポイントの提携先は全国で約52,000店あります。これだけ大きなアライアンス先があれば、当社にとっても相互送客の効果非常に大きく、お客様にとってもポイントを通しての利便性を実感していただくことができます

–他のコンビニ系カードと比べた場合の、ファミマTカードの魅力を教えてください。たとえば、Pontaのついたカードとの違いは?

坂牧 「ファミマTカードの一つの優位性としては、ポイントのアライアンス先の規模の大きさが挙げられると思います。(Ponta付きクレジットカードと比べて)どちらのサービスの利便性が高いかは、お客様の判断になると思うのですが、アライアンス先の多さは他社との差別化の一つだと思っています。

また、ファミマTカードはファミリーマートのハウスカードですので、ファミリーマートをご利用いただいたときに、最大限のサービスをご提供できる機能を搭載しているのが強みです

入会動機の1位は「無料」、2位は「Tポイント」

–もらえるポイントがTポイントであるということは、カード会員に評判がいいですか?

坂牧 「はい。大変ご好評いただいております。実際、ファミマTカードに入会していただくお客様の入会動機のナンバーワンは『入会金・年会費が無料』ですが、ナンバーツーは、この『Tポイントが貯まる、使える』ということです」

— Tポイントの導入後、会員獲得の状況に変化はありましたか?

坂牧 「はい。会員数は大幅に増加しました。やはりTポイントさんとアライアンスを組んだことの効果は非常に大きかったと感じております」

— Tポイントさんと提携したことは、どのように宣伝されたのですか?

坂牧 「メインはファミリーマートの店頭での募集活動でした。店頭でお客様への入会をおすすめしたのが、認知度を上げる最大の活動だったと思います。現在のようにWEBでの露出の強化を始めたのは、まだ日が浅く、ここ2年くらいです」

–カード発行当初から、いわゆるカードマニアというよりは一般ユーザーさんが多かったのですね。

坂牧 「はい。ファミマTカードの会員様は、やはりファミリーマートのお客様として来られる方がメインになっています。これは発行当初から現在も変わりません。特段クレジットカードに興味があるマニアの方ではないと思います」

高いポイント還元率

※2019年8月1日 ファミマTカードのクレジット払いで、買い物200円ごとにTポイント2%(4ポイント)還元開始

–ファミマTカードの最大の魅力は、1.5%というポイント還元率の高さですね。現金払いでも還元率1%、クレジット払いにするとさらに0.5%プラスされ、1.5%になります。高還元率にした狙いを教えてください。

坂牧 「正直申し上げて、高還元率であるということはあまり意識していませんでした。カードを発行するときも、『これぐらいの還元率だからユーザーの反応はいいだろう」と狙ったわけではありません。逆にお客様から『還元率が非常に高い』というお声をいただいてわれわれが高還元率に気づかされているといった状況です。

お客様はカードのお得な使い方に大変敏感で、たとえば、『ファミマTカードのクレジット払いで1万円のQUOカードを買うと数百円分がプラスでついてくる上にポイントが貯まる』などの声をお聞きすることがあります。私たちは、高還元率であることよりも、むしろ『今お得』のサービスのようなファミリーマートでお得にお使いいただけサービスをアピールすることに力を入れています

火曜、土曜に還元率2.5%

–ポイント還元率が2.5%になる「カードの日」は、ファミリーマートさんだけの特典ですね。カードの日には、ファミマ店頭でクレジット払いしたときのポイント還元率が2.5%。しかも火曜・土曜と週2回も開催されるのがとても魅力的ですね。

坂牧 「そうですね。これは、われわれカード会社ではなくファミリーマートさんが実施している施策ですが、火曜日というのはどこのコンビニでも新商品が並ぶ曜日になっています。そのため、『カードの日』に新商品をよりお得に購入していただきたいという狙いがあると聞いています

–『カードの日』はカード会員によく利用されていますか?

坂牧 「はい。ファミリーマートユーザーの方は、かなり意識されてお使いいただいているようです。われわれ関係者も、火曜・土曜日というのは意識して店に行くくらいです(笑)」

※2019年7月30日 火曜、土曜「カードの日」は終了しました。

毎月20日の「おとなの日」の戦略

–毎月20日の「おとなの日」も、ファミマ店頭でクレジット払いにすれば還元率は2.5%にアップしますね。この特典は50歳以上の方が対象とのことですが、どのようなコンセプトで始められたのですか?

坂牧 「これもファミリーマートさんの施策です。コンビニに対してなじみが薄かった50歳から65歳の中高年層向けサービスを充実させるために、毎月20日をファミリーマートの「おとなの日」としてサービスを開始したと聞いています

当然、少子高齢化という背景の中で、そうしたお客様をメインターゲットのひとつとしてやっていこうという戦略もあったようです」

–「おとなの日」の反響はいかがですか?

坂牧 「おかげさまで、最近かなり認知度が上がってきた感があります。『おとなの日』を意識して来店されるお客様が増えてきたようです」

–「おとなの日」のサービスを利用するとき、身分証明書を見せるのですか?

坂牧 「いえ、カードの会員情報でわかりますので、身分証の提示は必要ありません。商品をファミマTカード提示で買い物いただくだけで大丈夫です

–「カードの日」と「おとなの日」はそれぞれいつから始まったのですか?

坂牧 「現在の『カードの日』のサービスは、2010年から始めました。『おとなの日』は2012年に始まったばかりの新しいサービスです」

「カードの日」と「おとなの日」のダブル特典

「カードの日」と「おとなの日」が重なったときは、ダブルで還元率が高くなるのですね。とても太っ腹な特典ですね。

坂牧 「はい。特別に意図して実施しているわけではありませんが、大変お得なサービスだと思います。ただ、特典を重複して利用できるのは、まだあまりお客様には認知いただいていないようですね」

2013年は「カードの日」と「おとなの日」が重なるのが4月、7月、8月と3回もありますね。

坂牧 「はい。ぜひその機会を狙ってお越しいただきたいですね

※2014年7月からのポイントサービス変更に伴い「おとなの日」は終了しました。

カード会員なら「今お得」がさらにお得!

–「今お得」はどのようなサービスですか?

坂牧 「『今お得』は、ファストフードやデザート、飲料、菓子、日用品など様々なカテゴリからおすすめ商品がお買い得になるサービスで、ファミマTカード会員様ならさらにお得な会員特別価格でご購入いただけます。たとえば、通常価格180円のフライドポテトが『今お得』で170円になり、さらにファミマTカード会員様ですと10円引きの160円でご購入いただけるといった具合です。

商品によって割引額は異なりますが、この特典は、クレジット払いでも現金払いでも、カード会員様ならご利用いただけます。

そのときどきでお客様に手に取っていただきたい商品を通常の割引にプラスして、『ファミマTカード会員特別価格』にしているということですね。

対象商品は、2週間に1回くらいで変わります。割引額は商品によって異なります。商品によっては驚くくらい安くなるものもあるのが魅力です。『今お得』は期間限定ではなく、常時開催しています。ファミリーマートとしても力を入れているサービスだと聞いています」

–カード会員なら割引額が上乗せされるようになったのは、いつからですか?

坂牧 「2004年のファミマカードになってからです」

※2019年6月30日 「今お得」は終了しました。

Tポイントがプラスされる特典

坂牧 「ファミリーマートの商品がお得に購入できるサービスとしては、ほかにも、特定商品を購入するとTポイントがプラスして付与されるという特典があります。こちらも、デザート、飲料、菓子、日用品など様々なカテゴリからおすすめ商品が対象となります。対象商品は、2週間に1回くらいで変わります。」

–このポイントプラスの特典はクレジット払いのときだけですか?

坂牧 「いえ、現金払いでも同様に貯まります」

Tポイントで「小銭レス」生活

–ファミマTカードの魅力の一つは、ポイントが1円単位で貯まってすぐ使えるというところですね。一般的なクレジットカードは、年間10万円以上使ってポイントを貯めなければ交換できないことが多いです。そういう意味でTポイントは使いやすいです。

坂牧 「ファミマTカードは、ファミリーマートというコンビニエンスストアのハウスカードですので、少額決済の多いコンビニでのお買物で使いやすいポイントにしたいという狙いがありました。

vコンビニでお買い物をされると、1円~10円単位の端数が出ることが多いです。ファミマTカードなら、1円単位でポイントをお使いいただけるので、その端数をポイントでお支払いただくことができます。そうすると小銭を使わないので、お財布がかさばらずにすみます」

–実際に、小銭をポイント払いにするお客様は多いのですか?

坂牧 「最近は、ファミリーマートの店頭でそうした使い方をお声掛けしているスタッフの方も多いようで、端数をポイント払いされるお客様が増えているようです」

Tポイントは実質、有効期限なし

Tポイントは、年間に1回でもポイント利用があれば継続して利用できるのも特徴ですね

坂牧 「はい。vこれもTポイントの大きなメリットの一つだと思っております。通常のクレジットカードのポイントは期限が1年~2年で区切られていることが多いのに対し、Tポイントは継続利用が可能なため、ユーザー様にとっても利便性の非常に高いサービスだと思います」

–Tポイントの魅力がカード会員を増やしている要因の一つなのですね。

坂牧 「はい。Tポイントの魅力と同時に、ファミリーマートでお使いいただいたときの特典がお客様にご好評いただいているようです。」

広範囲で使える

–Tポイントの提携先は約52,000店で様々な業種のチェーン店が入っていますね。相互送客という点ではファミリーマートさんにとってはメリットがありますが、逆に「他のお店でもお得なクレジットカード」になってしまうデメリットもありますね。

坂牧 「そうですね。当社としても、もちろん『自分のところで発行したカードは自分のところで使ってもらいたい』という思いはあります。しかし、コンビニエンスストアというのはお客様にとっても最も日常的に使われる窓口でもありますから、他のアライアンス先からの集客は十分期待できます。

他のお店にお客様が流れてしまう当社のデメリットよりも、お客様に『どこのお店に行ってもお得に使える』というお得感を実感していただきたいというがわれわれの大きな狙いです

–少額の商品もカードで払う人は増えてきているのですか?

坂牧 「はい。2011年からはファミリーマートでファミマTカード以外の他社のクレジットカードが使えるようになっています。そうした背景もあって、少額決済でもクレジット払いをされるお客様は増えています」
–QUOカードでお得–ファミマTカード会員さんは、ファミマ店頭でQUOカードを購入し、利用すると3.3%の還元率になりますね。

坂牧 「そうですね。ファミマでファミマTカードのクレジット払いでQUOカード1万円券をお買い上げいただくと50ポイント貯まります。QUOカードは1万180円分買い物できるので、180円お得です。さらに、そのQUOカードでファミマ商品をご購入いただく際にファミマTカードをご提示いただければ、101ポイント貯まります。50ポイント+180円+151ポイントで331円分がお得になるので、3.3%の還元率です

※2014年7月5日 カード提示ポイントが1%→0.5%になり、QUOカード還元率は3.3%→2.7%に。

ガソリンスタンドでよく使われる

–ファミマTカードは、やはり、ファミリーマートで使う方が圧倒的に多いのですか?

坂牧 「そうですね。ファミリーマートお使いいただく方が中心ですが、Tポイントの提携先さんでお使いいただいている方も非常に多いです。それから、(国際ブランドである)JCBの加盟店でご利用される方もかなりいらっしゃいます。特に、ガソリンスタンド、カーショップなど車関係の加盟店でクレジットをご利用されるお客様が多いようです。たとえば、車でコンビニエンスストアに行って、そのついでにENEOSで給油するといったように、日常使いできるのが魅力です

–ファミマTカードは、ENEOS 、オートバックスのようなTポイント提携先ならどこでも1~1.5%※還元です。さらに、Tポイント提携先以外でもポイントが貯まりますね。

※2014年7月5日 Tポイント提携先での付与ポイントが1.5%→1.0%に(提示ポイント0.5%+クレジットポイント0.5%)。

※カード提示で0.5%または1%付与(提携先により異なる)、クレジット払いでさらに0.5%付与

坂牧 「はい。Tポイント提携先さんでなくても、クレジット払いならTポイントが0.5%貯まります」

–ファミマTカードをメインカードとして使われている人もいますか?

坂牧 「ファミリーマートのヘビーユーザーのお客様は、ファミマTカードをメインカードとしてお使いいただいている方は多いようです」

ポケットカードとの合併でどうなる?

–昨年9月に、ファミマTカードを発行していたファミマクレジット株式会社が、ポケットカードと合併し、新会社「ポケットカード」になりました。

坂牧 「もともとファミマクレジットとポケットカードは、取引関係があり、兄弟みたいな関係でした。ですから、合併してより一層のシナジーを出すというのは当然の流れだったのかと思います。そういう意味では、ポケットカード社の様々なシステムやインフラを利用して、もっともっとファミマTカードがバージョンアップできたらいいなと思っています

–両社は日常的にやりとりがあったということですね。

坂牧 「そうですね。常に、合併前からポケットカード社と一心同体と言うようなかたちで業務をやっていました。合併したことで、働く者としては非常にスムーズになりましたし、より一層お互いのメリットをいかして、これからもっとファミマTカードのお客様に対していいサービスを展開していきたいと考えております」

–会員さんにとって変わった点はありますか?

坂牧 「細かい点はいくつかありますが、大きなところは約定日と社名だけです」

「スペシャルゲスト」の意味は?

–カードの券面に「スペシャルゲスト」という文字が入っているのはどうしてですか?

坂牧 「これは、ファミリーマートさんの考えです。『このカードをお持ちの方を特別なお客様として迎えたい』という思いがあると聞いています。『おもてなしの心でお迎えする』というのはファミリーマートの原点でありますので、それを冠にしているというのは間違いなく、われわれ(ポケットカード)も同じ思いです」

(文中敬称略)

 ファミマTカード

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インタビュー 第8回


メルマガ皆さんは「ポイント還元率が高いから」「ポイントやキャッシュバックなどのキャンペーンが良かったので」「友人知人が使っているから」といった理由でカードを選ばれることが多いと思います。お得ばかりを追い求めてカードを作り続けるとポイントが分散して貯まりません。それは入口にフォーカスしているからです。

入口=どこで使うか、出口=カードになにを求めるか、決済金額=一年にどれくらい使うか。
この3つの要素が揃って、はじめて有効なクレジットカードを選ぶことができます。大事なことは最終的にクレジットカードに求めるものを明確にすることです。つまり出口を決めることから始まります。当サイトでは「出口から逆算して決済金額で最適化する」ことを提案します。

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