アメックスが自社で発行しているプロパーカードのポイントは、マイルに交換して航空券に使う以外にもカードの支払代金に充てたり、ホテルや旅行の代金に使ったり、様々なアイテムや商品券、楽天ポイントなどと交換したりとたくさんの使い道があります。
その中でも一番お得な交換先はANAマイルです。ANAマイルに交換してビジネスクラスやファーストクラスの特典航空券を取るのが、アメックスのポイントの価値が最も高くなる使い方ですが、自由に旅行に出かけられない今、飛行機を利用する機会は多くはありません。
ここでは、アメックスで貯めたポイントをお得に使う方法について解説します。
この記事によって分かること
ANAマイル経由でポイント交換
貯まったアメックスのポイントの使い道としてポイント価値が高いのは、ANAマイル経由での楽天Edyや楽天ポイント、Tポイント、nanacoポイントなどの電子マネーやポイントへの交換です。使い勝手が良いのはもちろんのこと、航空券ほどではありませんがポイントの価値も悪くありません。
ANAマイルへの交換は、1年間(1月1日〜12月31日の期間)に40,000ポイント(40,000マイル)までと上限が決まっています。
40,000ポイントは、アメックスの基本還元率1%で計算すると400万円分の決済でたまるポイントです。実際にはアメックスの特典を使えば、もっと少ない決済金額で40,000ポイントに達するのですが、イメージしやすくするため便宜的に、決済金額が400万円までの獲得ポイントの使い道と、決済金額が400万円以上のポイントの使い道に分けて、お得感の高いの使い道を紹介します。
決済金額400万円までのアメックスポイントの活用法
メンバーシップ・リワード・プラス加入でポイント交換レートアップ
アメックスには年会費3,300円(税込)の「メンバーシップ・リワード・プラス」があります。「メンバーシップ・リワード」と呼ばれる通常のポイントプログラムとは別のものです。
ポイント交換レートがアップするだけでなく、ネット通販のAmazonやYahoo!などで買い物したときにポイント還元率が3%に上がる「ボーナスポイントプログラム(無料)」にも申し込めるようになります。ポイントの価値が高まり、使えば使うほど年会費以上に獲得できるポイント数もアップします。
アメックスのポイントをお得に活用するには「メンバーシップ・リワード・プラス」への登録が必須です。
「メンバーシップ・リワード・プラス」「ボーナスポイントプログラム」については、こちらで詳しく紹介しています。
ポイントの価値を最大化するならANAマイルで特典航空券
アメックスのポイントをANAマイルに交換するには、「メンバーシップ・リワード ANAコース」に登録する必要があります。アメックスのカードの年会費と「メンバーシップ・リワード・プラス」とは別に5,500円(税込)がかかります。
「メンバーシップ・リワード ANAコース」は、ポイントをマイルに交換する年だけ登録すれば良いので、毎年かかるわけではありません。
アメックスのポイントをANAマイルに交換するレートは、1,000ポイント=1,000マイル(100%)です。
交換したANAマイルで取る特典航空券(マイルで取得する航空券のこと)とお金を払って取る航空券とを比較すると、1マイルの価値は2円から20円相当になります。1マイルの価値は「国際線か国内線か」「座席のクラス」「利用する時期」「区間」などによって変わってきますが、おおよそ次のような金額になります。
1マイルの価値 | |
---|---|
国際線ファーストクラス | 10円~15円 |
国際線ビジネスクラス | 8円~10円 |
国際線エコノミークラス | 4円~6円 |
国内線 | 2円~4円 |
アメックスのポイント還元率は基本は1%ですので、100円で1ポイントがもらえます。国際線のビジネスクラスの航空券に使った場合は、1ポイントが1マイルになり、その価値が10円なので、実質10%もの還元率になるわけです。
アメックスで100万円分の決済をしたら10万円分返ってくるわけですから、「メンバーシップ・リワード ANAコース」の年会費を払ってでもANAマイルに交換するのも頷けますね。
ちなみにアメックスのポイントをJALのマイルに交換すると、2,500ポイント=1,000マイル(40%)とかなりレートが悪くなります。
ANA、JAL以外には、15社の提携航空会社のマイルと交換ができます。提携航空パートナーのマイルには、1,250ポイント=1,000マイル(80%)とJALのマイルほどではありませんが、ANAと比べて交換レートが落ちます。
ANAマイルからANA SKY コインに交換する
アメックスのポイントから交換したANAマイルは、さらに「ANA SKY コイン」という名前の電子クーポンに交換して航空券や旅行のパッケージツアーの代金などに使うこともできます。
航空券ならANAマイルで特典航空券を取ればいいのでは?と思いますが、特典航空券は数が限られているので、ハイシーズンの人気の路線は取れない場合もあります。その点、 SKY コインは10コイン=10円として10円単位で現金と同じように航空券の購入に充てられますし、クレジットカード払いと合わせて使えます。
ANAマイルからANA SKY コインへの基本交換レートは1マイル=1コインですが、ANAマイレージクラブ会員のステータスや交換するマイル数によって、交換レートが1.2倍〜1.7倍になります。つまり、アメックスの1ポイント=1ANAマイル=1.2〜1.7ANA SKY コイン=1.2〜1.7円として利用できます。
ANA SKY コインへの交換レートが高いと、国内線では特典航空券よりお得に航空券を手に入れられるケースも稀にあります。
ANA SKY コインについて
ANAマイルからポイント、電子マネーに交換する
アメックスのポイントは「メンバーシップ・リワード・プラス」に登録していれば有効期限はありません。ですので、自由に旅行に出かけられるようになるまで、しっかり貯めておくでもいいのですが、ANAマイルは航空券以外にも使いやすい電子マネーや共通ポイントにも交換できます。
ANAマイルで交換できる主なポイント・電子マネー
- 楽天Edy
- 楽天ポイント
- Tポイント
- nanacoポイント
- メトロポイント(PASMOにチャージできる)
- スターバックス カードへの入金
- iTunesギフトコード(※現在停止中)
- ヤマダポイント(ヤマダ電機)
- マツモトキヨシ現金ポイント
ANAマイルから交換できる全提携ポイントはこちら
マイルを様々な提携ポイントサービスと交換する|ANAマイレージクラブ
交換できる単位は10,000マイル単位で、交換レートは10,000マイル=10,000ポイント(円)です。
但し、このレートで交換できるのは、同一年度内(4月1日~翌年3月31日)に20,000マイルまでです。それ以降は、10,000マイル=5,000ポイント(円)と半分になってしまうので、アメックスのポイント1ポイントに対して1円の価値でポイントや電子マネーに交換できるのは、1年間に20,000ポイントまでです。
アメックスのポイントから直接楽天ポイントやTポイントにも交換できますが、3,000ポイント(アメックス)=1,500ポイント(楽天・Tポイント)のレートなので、ANAマイル経由で交換したほうが断然お得です。
特典航空券ほどの価値のアップとはなりませんが、楽天ポイントに交換すれば、楽天市場で好きな商品が買えますし、楽天トラベルで旅行代金としても使えます。楽天ペイでコンビニやドラッグストア、スーパーなどでも使えるので、自由度はかなり高いです。
1ポイントの価値を上げることで言えば、Tポイントに交換してウエルシア薬局で「毎月20日のお客様感謝デー」に使えば、10,000ポイントで15,000円分の買い物ができます。1ポイント=1.5円と国内線の特典航空券並みの価値まで上がります。
最初にも言いましたが、アメックスのポイントをANAマイルに交換できる年間の上限は40,000ポイントです。ですので、アメックスでの決済金額が400万円(獲得ポイント40,000)までは、「ANAの特典航空券を取る」「ANA SKY コインにする」「電子マネーやポイントにする」ことができるANAマイルに交換するのが一番の活用法です。
決済金額400万円以上はブリティッシュ・エアウェイズのマイルに交換する
年間の決済金額が400万円以上あって、40,000ポイント以上の獲得ポイントは、アメックスの提携航空パートナーのひとつ、ブリティッシュ・エアウェイズの Aviosに交換するのがベターです。
ブリティッシュ・エアウェイズとJALは「ワンワールド」という同じグループに所属しています。同じグループ間では、マイルの相互利用ができます。つまり、ブリティッシュ・エアウェイズのマイルでJALの特典航空券を取れるのです。
アメックスのポイントを直接JALのマイルに交換すると、2,500ポイント=1,000マイル(40%)と半分以下になってしまうので、JALマイルに交換するよりもブリティッシュ・エアウェイズのAviosに交換してJALの特典航空券を取るほうがお得です。
アメックスのポイントを提携航空パートナーのマイルに交換するレートは、1,250ポイント=1,000マイル(80%)です。
マイル自体は80%と下がってしまいますが、1マイルの価値を国内線の2円と高くない金額で計算しても、1,250ポイント=2,000円となり、アメックスのポイント1ポイントで1.6円と決して悪くありません。
必要なマイル数をJALの国内線で比較すると、ブリティッシュ・エアウェイズの方が少ないマイルで取れる特典航空券が多くあったのですが、2021年7月の改定でなくなってしまいました。
【羽田空港からのマイル数】
JALの必要マイル数 | BAの必要マイル数 | |
---|---|---|
羽田 ⇒ 新千歳 | 7,500 | 7,500 |
羽田 ⇒ 青森 | 7,500 | 7,500 |
羽田 ⇒ 大阪 | 6,000 | 7,500 |
羽田 ⇒ 伊丹 | 6,000 | 7,500 |
羽田 ⇒ 広島 | 7,500 | 7,500 |
羽田 ⇒ 福岡 | 7,500 | 7,500 |
羽田 ⇒ 那覇 | 7,500 | 10,000 |
大阪 ⇒ 那覇 | 7,500 | 10,000 |
大阪 ⇒ 札幌 | 7,500 | 10,000 |
残念ながら必要マイル数でBAの優位性はなくなってしまいました。ただ、ANAやJALのマイルで取れる特典航空券は、2親等以内の親族しか利用できませんが、ブリティッシュ・エアウェイズのマイルで取るJALの特典航空券は、友達や彼氏、彼女といった血縁関係がなくても利用できるメリットがあります。同行者である必要もなく、出張などで使いやすいです。
ですので、ブリティッシュ・エアウェイズのマイルからのJALの特典航空券への交換は、ANAマイルの交換上限に達していない場合でも使い所があります。
ANAアメックス・ゴールド、マリオットアメックス・プレミアムという選択
アメックスで獲得したポイントの有効な使い方は、やはりマイル、特にANAマイルに交換するのが最もお得です。ですが、ANAマイルに変更できるのは年間40,000ポイントまでです。
カードの決済額がおおよそ400万円以内であれば、全てのポイントをANAマイルに交換して有効に活用できますが、もっと多くの金額を決済して40,000ポイント以上たまる方は、ANAアメックス・ゴールド、もしくはマリオットアメックス・プレミアムを検討してみてもいいでしょう。
どちらのカードもANAのマイルへの交換上限がありませんし、交換レートもアメックスのプロパーカードと同等かそれ以上です。
ANAアメックス・ゴールド
ANAアメックス・ゴールドは、ANAとアメックスが提携して発行しているカードです。ANAのマイルにしか交換できませんが、上限もありませんし、ANAを使い倒すならマイルが貯まりやすいカードです。
マリオットボンヴォイアメックス・プレミアム
マリオットアメックスは、アメックスと世界最大のホテルグループのマリオット・インターナショナルが提携して作ったカードです。年間のマイル交換上限もなく、38社の航空会社のマイルと高いレートで交換できます。
アメックスのプロパーカードと、ANAアメックス・ゴールド、マリオットアメックス・プレミアムの違いはマイルへの交換上限、交換レートだけではないので、詳しくはこちらを参考にしてみてください。
その他のアメックスのポイントの使い道
アメリカン・エキスプレス・トラベルオンライン
アメックスのポイントの使い道として、マイル以外で有効なのが、アメックスのカード会員専用宿泊予約サイト「アメリカン・エキスプレス・トラベルオンライン」です。
高級なホテルから3,000円代のビジネスホテル、温泉旅館までたくさんの宿泊先から選べて、1ポイント=1円で利用できます。
アメックスのポイントは、マイルに交換する、「アメリカン・エキスプレス・トラベルオンライン」で使う以外にもたくさんの使い道はありますが、1ポイントの価値がかなり下がってしまったり、使いづらかったりするのであまりおすすめできません。
利用方法 | ポイントの換算率 | 最小交換ポイント |
---|---|---|
カード年会費/月会費に充当 | ||
カード年会費/月会費 | 1ポイント ➡ 1.0円 | |
ポイントと交換 | ||
楽天ポイント | 1ポイント ➡ 0.5円 | 3,000ポイント |
Tポイント | 1ポイント ➡ 0.5円 | 3,000ポイント |
カード利用後の代金に利用 | ||
航空会社で利用分 | 1ポイント ➡ 0.8円 | 3,000ポイント |
ホテルや旅行代理店で利用分 | 1ポイント ➡ 0.8円 | 3,000ポイント |
それ以外(旅行関連以外)で利用分 | 1ポイント ➡ 0.5円 | 3,000ポイント |
旅行代金の支払いに利用 | ||
HIS アメリカン・エキスプレス・トラベル・デスク | 1ポイント ➡ 0.8円 | 1,000ポイント |
日本旅行の対象店舗 | 1ポイント ➡ 0.8円 | 1,000ポイント |
店頭での利用 | ||
ヨドバシカメラ | 1ポイント ➡ 0.5円 | 2,000ポイント |
高島屋 | 1ポイント ➡ 0.5円 | 2,000ポイント |
提携ホテルのポイント | ||
ヒルトンオーナーズポイント | 1,000ポイント ➡ 1,250ポイント | 1,000ポイント |
Marriott Bonvoy | 1,000ポイント ➡ 990ポイント | 1,000ポイント |
オンライン・ショッピングでの支払いに利用 | ||
American Express SafeKey参加加盟店例での利用 | 1ポイント ➡ 0.5~1円 | 1,000ポイント |
ギフト券と交換 | ||
amazonギフト券 | 1ポイント ➡ 0.33円 | 3,000ポイント |
全国百貨店共通商品券 | 1ポイント ➡ 0.33円 | 3,000ポイント |
nanacoギフト | 1ポイント ➡ 0.33円 | 3,000ポイント |
QUOカード | 1ポイント ➡ 0.33円 | 3,000ポイント |
Apple iTunesギフトコード | 1ポイント ➡ 0.33円 | 3,000ポイント |
※メンバーシップリワードプラス加入時のレート
アメックスのポイントのお得な交換先まとめ
アメックスの年間決済額が400万円(獲得ポイントが40,000ポイント)以下なら、ANAマイルへ交換して特典航空券にするのが一番オトクです。けれども、このご時世で、あまり旅行に出かけないのであれば、ANAマイルを楽天ポイントなど使いやすいポイントや電子マネーに交換するのもありです。
年間の決済額が400万円(獲得ポイントが40,000ポイント)以上なら、40,000ポイントを超える分は、ブリティッシュ・エアウェイズのマイルに交換してJALの特典航空券に使う。もしくは、マイルへの交換上限のないANAアメックス・ゴールドやマリオットアメックス・プレミアムを検討してみるのもいいでしょう。
アメックスの基本の還元率1%だけを見ると、年会費無料のカードとの違いが見えにくくなってしまいますが、効果的にマイルと交換することで1ポイントの価値は大きくなります。
さらにAmazonやYahoo!の3%還元やアメックスオファーの20%、30%還元といったアメックスの特典を上手に使えば、ポイント価値が30倍にもなる魅力的なカードです。
アメックスのポイント還元率はAmazon、Yahoo!で3%、トラベル4%と抜群です。
また、20%、30%の高還元率キャンペーン「アメックスオファー」についてはこちらを参照してください。
2021年2月13日 作成
2024年1月20日更新
皆さんは「ポイント還元率が高いから」「ポイントやキャッシュバックなどのキャンペーンが良かったので」「友人知人が使っているから」といった理由でカードを選ばれることが多いと思います。お得ばかりを追い求めてカードを作り続けるとたいていポイントが分散してしまいます。それは入口にフォーカスしているからです。
入口=どこで使うか、出口=カードになにを求めるか、決済金額=一年にどれくらい使うか。
この3つの要素が揃って、はじめて有効なクレジットカードを選ぶことができます。大事なことは最終的にクレジットカードに求めるものを明確にすることです。つまり出口を決めることから始まります。当サイトでは「出口から逆算して決済金額で最適化する」ことを提案します。
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