ホーム > ユーザーインタビュー > 第2回 写真家 柴田秀一郎さん

日本唯一のバス停カメラマン

写真家 柴田秀一郎さん

<プロフィール>1963年、東京都生まれ。日本大学法学部卒。大手化学メーカー入社後の9年目、夜間の写真学校「現代写真研究所」に入学、風景写真家竹内敏信に師事。2005年、「標(しるべ)〜バス停にて〜」で「第11回酒田市土門拳文化賞・奨励賞」を受賞。2006年月刊誌「日本カメラ」にバス停のシリーズを1年間連載。2010年、写真集「バス停留所」(リトルモア)を出版。土門拳記念館に作品収蔵。2014年、50歳を機に早期退職制度を利用して、写真家として独立、現在に至る。「公益社団法人日本写真協会会員」柴田秀一郎 Official Site

(取材日:2014年7月 取材・構成:クレジットカードDB 大澤日出男)

サラリーマン9年目「将来、写真家になろう!」と思い立ち写真学校へ

-- なぜ、バス停を撮ろうと思ったのですか?

柴田 サラリーマン9年目、「将来、写真家になろう!」と思い立ち、会社帰りに、夜間の写真学校に通ったんです。当時、何を撮りたいか、まったくテーマはありませんでした。バス停との出会いは、写真学校の撮影会で、埼玉県の川越に行ったときでした。みんなは、川越の観光名所を撮っていました。私は、みんなと同じような写真を撮りたくなかったので、市内を歩いていましたら、バス停でバスを待つ老婦人を見かけたんです。その写真が、みんなから、とても評判が良くて、「これだ!」とテーマが決まりました。バス停をテーマにした写真家は、たぶん私が最初だったと思います。


-- 取材するバス停をどのように決めていますか?

柴田 最初は手探り状態でした。もちろんバス会社に事前に電話して聞いたり、地元の新聞社、日本バス協会から情報を得たこともありました。また学校時代の同級生がたくさん地方に戻っていましたから、「そっちに写真になりそうなバス停はない?」と連絡したこともあります。あとは現地に出かけて、居酒屋で一杯やりながら、お店のご主人やお客さんから聞き込みをしたこともありました。


 転機になったのは、平成20年5月に、「日本鉄道旅行地図帳」(新潮社)が出版されてからです。明治以降の鉄道がすべて載っている地図帳で、廃線になった鉄道も網羅していました。そこに私は注目したのです。鉄道が廃線になると、その後、バス路線に変わります。私は、かつて鉄道だったバス路線を中心にバス停を撮り始めました。いまは、さびれていても、以前、栄えていた面影があって、バス停の背景に、何とも言えない郷愁が漂っていたんです。たとえば、福島市とその周辺の現在の伊達市は養蚕業が盛んで、絹織物の集散地で、以前は路面電車が放射状に伸びていました。鉄道が廃線になって久しい現在でも、駅がないのに駅前食堂があったりして、そこにたたずむバス停が何ともいえない、いい味を出しています。伊達市月舘町(写真集31ページ)のバス停の光景も、遠い過去には鉄道があったのです。

-- 最近まで、サラリーマンだったんですよね。

柴田 以前、営業マンだったとき、新潟、群馬、栃木、茨城、福島などが担当エリアでした。出張が多かったので、金曜日に営業車で出かけて、仕事をし、土日にバス停の写真を撮って回りました。趣味を兼ねていたので、出張が楽しくて仕方がなかったですね(笑)。その後内勤に異動して出来なくなってしまいましたが、・・・・(笑)

バス停を撮っていると人との出会いも多いんです


-- 古い映画を観て、バス停を撮りに行ったこともある?

柴田 高峰秀子主演で、国産初の総天然色映画『カルメン故郷に帰る』(1951年松竹映画)をDVDレンタルで観たとき、草軽鉄道が出てきました。軽井沢と草津温泉をつなぐ高原鉄道ですが、「日本鉄道旅行地図帳」を見ると、昭和37年、全線廃止になっていました。そこが、現在はバス路線になっていたので、すぐに撮りに出かけました。僕の写真集にも掲載されています。


 群馬県長野原町のバス停(写真集38ページ)またこの同じ会社の別系統の路線バスで、『男はつらいよ』の第25作「寅次郎ハイビスカスの花」で、寅さんとリリー(浅丘ルリ子)が偶然再会するラストシーンに、興味深いバス停が登場します。「上荷付場(かみにつけば)」というバス停ですが、その後、残念なことに、バス路線が廃止になって、いまは「寅さんバス停」と呼ばれて復元されています。バス路線が無いのに、不思議ですよね。

-- 面白いエピソードは、ありますか?

柴田 バス停を撮っていると、人との出会いも多いんです。バスを待っている人や、通りすがりの人を見かけたら、話しかけてから撮影をします。そして、バス停に写っている人には、あとで、プリントした写真を届けるようにしています。

このバス停(大分県玖珠町)の少年(写真集154ページ)は、ニコリともせず、表情が硬いでしょう。写真集が出来て、プレゼントしようと、4年ぶりに、半日かけて探したら、少年の自宅が見つかったんです。少年のおばあさんが「ああ、あのときの人ですか」と言うんです。なぜ、おばあさんが私のことを知ってるんだろうと思いましたら、少年が「変なおじさんに写真を撮られた」と帰って来たので、警察に通報したというんです(笑)。たまたまこの日は撮影後早めに、温泉に行ったので、警察に遭遇することなくて、ややこしくならずに良かったです。笑い話ですよね。

いい話もありますよ。この千葉県銚子市のバス停(写真集61ページ)のおじいさんとおばあさんが、すれ違いざまに、挨拶している作品を撮ったとき、すぐにプリントした写真を届けたら、とても喜んでもらったんです。それから8年後、写真集が出来たので届けに行ったら、どちらも亡くなっていたんです。ところが、仏壇に、私の写真集の読売新聞の書評がこの写真だったのですが、新聞の切り抜きが両家の仏壇に供えてあったんです。感激して涙モノでした。


-- いままで、いくつのバス停を撮りましたか?

柴田 写真集には、北海道から沖縄まで188のバス停が載っています。正確な数は分かりませんが、いままで撮ったバス停は、その20倍〜25倍、4000前後だと思います。その中で名前でインパクトがあるバス停は「恋人峠」というバス停です。(写真集143ページ)徳島県美馬市にあるんですが、「こいびととうげ」だと思って撮りに行ったら「こいととうげ」でした。ここには、平家落ち武者が、女房子供とここで別れた哀しい伝説が残っています。

面白いというか、不思議なバス停は、徳島県鳴門市にあった民家のブロック塀の内側にあるバス停です。(写真集138ページ)どうして敷地内にあるのか、最高に面白いバス停です。

 また、この写真集は2010年の出版なので、東日本大震災前のバス停が載っています。その後、バス停はどうなったのか、撮りに出かけているので、いつか、発表したいと思っています。

50歳になるのを待ちに待って『大人の休日倶楽部ミドルカード』に申し込んだ

-- バス停を撮影に行くとき、クレジットカードは、活用していますか?


柴田 クレジットカードは、財布の中に入っているものだけでも6枚あります。バス停を撮影するとき、よく使うのは、JR東日本の『大人の休日倶楽部ミドルカード』です。吉永小百合さんがコマーシャルしていますよね。50歳から入会できるので、待ちに待って申し込みしました。これは、東日本のJRの運賃が5%割引になるので、とてもお得です。ただJR東日本エリアだけなので、日本全国のJRで使えないのが、ちょっと不満ですね。200キロ以内は車で出かけます。大阪方面は夜行バス。それ以上、遠いところは飛行機を利用しています。

サラリーマン時代、経理、財務も担当していたので、お金には細かいんですが、クレジットカードは上手に使い切れていませんね。カードで得をしようという考えがありませんでした。例えば、ガス、水道、電気などの光熱費は銀行口座の引き落としで、ケータイ料金は、クレジット払い。買い物や食事は現金払い。コンビニは小銭がかさばらないようにSuicaを使いますが、チャージはレジで現金払いです。こんなふうに、あまり意識してクレジットカードを使っていません。海外へ行く機会もないので、アメックスカードは、年会費を払うだけで、ちょっともったいない気もしています。

カードで財布が膨らんでいるので、1枚のカードに集約できたら、教えてほしいですね。

クレジットカードの活用頻度★★★☆☆(星3つ)

そんな柴田さんにカード見直しのアドバイス

-- 柴田さんはクレジットカードを6枚お持ちですね。それでは、ひとつひとつ見ていきましょう。

■ JR CARD 年会費1,250円※発行当時税別

-- 今では新規に入会できない貴重なカードです。カードで購入した切符を他社のみどりの窓口でも払い戻しできる点が最大のメリットです。それ以外にメリットを感じている点はありますか?

柴田 特にありません。実はこのメリットすら知らないで使っていました。貴重なカードって聞いたので、このまま使いたいです。何しろカード自体のデザインが好きですから、結構デザインって大事だと思います。カードどれ使おうか?って迷うときに、そこで決めていますから。(笑)

大人の休日倶楽部ミドルカード 年会費2,624円(税込)

-- JR東日本・JR北海道線の片道・往復・連続で201km以上の切符が何度でも5%割引になるのは、撮影で移動されることが多い柴田さんにはぴったりのカードですね。Suicaに現金でチャージしているそうですが、大人の休日倶楽部ミドルカードはSuicaを内蔵していますし、なおかつオートチャージの設定がされています。Suicaチャージでも1.5%分のポイントが付与されるので、現金チャージではなくカード内蔵のSuicaをぜひご利用ください。

柴田 それは知りませんでした。早速、使いたいと思います。

■ AOYAMAカード 年会費1,375円(税込)

-- 洋服の青山で常に5%割引、さらに4%ポイント(誕生月と誕生月の翌月はポイント2倍)が付きますね。それだけでなく毎年3,000円分の商品券がもらえるカードです。洋服の青山でよく買い物をされる方は、確実に年会費の元が取れる必携のカードだと思います。

柴田 結構「洋服の青山」で、洋服(ワイシャツなど)と靴を購入しているので、年会費をカバーしていると自負しています。

アメリカン・エキスプレス・カード(グリーン) 年会費13,200円(税込)

-- 海外に頻繁に行かれますか?空港ラウンジや手荷物宅配など、年会費に見合うサービス利用をされていれば利用価値がありますが、いかがでしょうか。

柴田 以前は(2012年まで)、年に一度海外に、写真のイベントなどに、行っていたし、仕事でも海外出張がありましたが、昨年から行かなくなりました。うーん、来年海外に行かないと、なると存続している意味がないかもです。

セブンカード 年会費無料

-- 年間5万円以上利用していますか?また、イトーヨーカドー、セブンイレブン、デニーズを利用する際にクレジットカードからチャージした nanaco をお使いになられていますか?

柴田 nanacoのことは、知りませんでした。今アドバンテージがあるのか?考えてみたいです。

■ ヨドバシゴールドポイントカード 年会費無料

-- クレジット決済でも現金と同等のポイントが付与されるので、ヨドバシで撮影用機材の購入をされる柴田さんには、ヨドバシ専用カードとして利用するだけでも持っている価値があります。

柴田 フルに利用しているカードです。今日も、レンズアダプターを購入しました(笑)。

■ クレジットカードの利用シーンについて

-- 光熱水道費や携帯電話料金、年金、保険の類、スーパー・コンビニの支払いは、クレジットカード払いにされていますか?

柴田 携帯電話料金と高速道路の料金支払いは、カード払いですが、国民年金は窓口で、現金払いです。生命保険は、サラリーマン時代は給与天引きだったですが、さすがにカード払いにしました。

-- 飛行機に乗る頻度はいかがでしょうか。西日本方面に移動される際は飛行機を利用されるそうですが、航空会社はどちらを利用されることが多いですか。JALが多い、ANAが多いといったことはありますか。

柴田 特にどちらの飛行機会社を利用することはなくてパック旅行を使うことが多いです。そこも、考える必要ありますね。

-- 写真撮影で出張に行かれる際に、宿の予約サイトは利用しますか?

柴田 楽天トラベルはよく利用しています。

■ 見直しプラン

6枚のカードを見せていただきましたが、それぞれ目的を持って作られていて無駄が無いですね。ただ、行動パターンの変化に合わないものが出ているようです。解約候補として、JR CARD、セブンカード、アメリカン・エキスプレス・カードの3枚を挙げさせていただきます。

JRの切符は最近作られた「大人の休日倶楽部ミドルカード」で購入できますし、JR CARD は還元率が0.5%と低いです。デザインがお好きということですので、コレクターズアイテムとして手元に残されてもいいですが、定期的に発生する支払は他の還元率の高いカードでの決済をお勧めします。

アメリカン・エキスプレスは海外に行く頻度が減っているということで、年会費に見合うだけのサービス利用が無ければ解約をおすすめします。

セブンカードは年5万円以上の利用がなければ年会費500円かかる※ので解約候補です。イトーヨーカドーのハッピーデー割引はnanacoでも適用されるのでセブンカードが無くても大丈夫です。

そして、解約したカードの代わりに、還元率が高いカードを一枚お持ちになられるとよいでしょう。

そこで還元率が高いカードの中から、柴田さんにはリクルートカードプラスをお勧めします。いつでもどこでも2%のポイントがもらえるカードです。光熱費、携帯電話料金、国民年金保険料などカード払いができるもの、リクルートカードプラスに切り替えるだけでポイントがみるみる貯まります。

nanacoへのチャージでもポイントが付与されるので、イトーヨーカドーやセブンイレブンなどセブン&アイグループのお店では、リクルートカードプラスからチャージしたnanacoで買い物すれば、チャージポイント2%の他にnanaco利用ポイント1%の二重取りができます。

出張の際の宿泊は「じゃらん」で予約すればカード決済時のポイントと合わせて4%のリクルートポイントが付きます。また、貯めたポイントを「じゃらん」で使うこともできます。リクルートポイントはリクルートのサービスで使えるほか、Pontaに交換できるようになったので、Pontaに交換してローソンで使うこともできます。

JR CARD、セブンカード、アメリカン・エキスプレス・カードの3枚を解約して、リクルートカードプラス(現在発行終了)に新規申込み。いかがでしょうか。

(文中敬称略)


画像をクリックすると拡大します

柴田さんの作品の数々は朝日新聞デジタルのウエブマガジンでご覧になれます。

バス停留所(東日本編) はかなくも温かい地域の記録

バス停留所(西日本編) はかなくも温かい地域の記録

当時の地名埼玉県大宮市北袋町(現地名、「埼玉県さいたま市大宮区北袋町」)
左:2002年3月 右:2014年5月
茨城県下妻市長塚(バス路線は、存続しているが、この場所のバス停(バス停名「東長塚」)が廃止されたと現地取材で確認しました。)左:2001年7月 右:2014年5月
茨城県北茨木市中郷町(日立電鉄のバス路線が、この3月末日付で廃止したとの情報を得て、取材に行きました。なお最終日にセレモニーなどは、一切なかったことが、地元の取材で明らかになりました。) 左:2001年12月 右:2014年4月
茨城県結城郡八千代町(バス路線そのものが廃止されていました。建物がすっかり変わっていたので、町の雰囲気そのものが変わり過ぎていて、僕も自信がなくなり、地元の商店店主(和菓子屋)さんに、元バス停があった場所を確認して撮影しました。) 左:2001年7月 右:2014年5月
ホーム > ユーザーインタビュー > 第2回 写真家 柴田秀一郎さん

このエントリーをはてなブックマークに追加

クレジットカード会社直撃インタビュー

特徴・機能別クレジットカード